今回紹介するのは、岐阜県本巣市根尾板所字上段に位置する「淡墨公園」にある古木の一本桜「淡墨桜(うすずみざくら)」です。
「淡墨桜」は、彼岸桜の一種で「エドヒガンザクラ」となるのですが、樹高が16.3メートルあり、目通り幹囲は9.9メートルで、枝張りに関しては、東西に26.9メートルで、南北に20.2メートルと、豪快な広がりを魅せるのですが、推定樹齢は1500年以上と言われる古木となります。
そんな「淡墨桜」は、1922年10月12日に、国が指定する天然記念物になったのと同時に「日本五大桜」にも選定されました。
さらに、福島県三春町にある「三春滝桜(みはるたきざくら)」をはじめ、山梨県北社市にある「山高神代ザクラ(やまたかじんだいざくら)」と肩を並べて「日本三大巨桜」のひとつにも選ばれています。
その他にも「新日本名木百選」や「飛騨・美濃さくら三十三選」などにも選ばれる名桜となります。
「淡墨桜」は、散りぎわに独特な淡い墨色になるのですが、その特徴的な花びらの色にちなんで「淡墨桜」と言う名前が付けられています。
伝承によれば、日本の第26代天皇となる「継体天皇(けいたいてんのう)」が、この地を去る時に、第28代天皇となる「宣化天皇(せんかてんのう)」の産殿を焼き払ったのですが、その焼跡に、1本の桜の苗木を植えたことが始まりと伝えられています。
「淡墨桜」は、1948年に行われた調査によって、一度は「3年以内に枯死」との診断を受けています。
独学で樹木について学んで、枯死寸前の樹木を蘇らせる技術を持っていた「歯科医師の前田利行(まえだとしゆき)氏」の、手厚い保護によって見事に再生し、現在も元気に花びらを咲かせています。
そんな、1500年以上の長い歴史をもつ「淡墨桜」の紹介となります。
準備が整いましたら「淡墨桜」の、散策スタートです!
淡墨公園・淡墨桜【アクセス・駐車場・御朱印】樹齢1500年の名桜
寒い冬が終わって温かみを帯びてくると、桜のお花見シーズンが始まり、日本の「国花」とも言うべき、桜の開花の便りが各地で発表されると、自然と心が弾んできます。
桜の楽しみ方は、人それぞれとなるのですが「あっ!」と言う間に過ぎ去る、満開に花ひらく桜を楽しむため、日々の疲れも忘れて、たくさんの方が桜観賞に出かけます。
管理人である「ヒロ兄」の桜の楽しみ方は「一本桜」を中心とした、観賞スポットに出かけています。
お勧めの一本桜の記事は後ほどコチラをご覧下さい!
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その場所にただ一本、凛とそびえたつ一本桜の姿からは、並々ならぬ力を感じることができ、毎年のように各地へと車を走らせます。
今回は、岐阜県本巣市根尾板所字上段に位置する「淡墨公園」に、1500年以上鎮座し続ける一本桜の名桜「淡墨桜」を観賞するために車を走らせています。
毎年の悩みとして「桜と紅葉の見頃」に関しては、ドンピシャのタイミングで訪れるのは、本当に難しいと悩みます。
遠方まで出かけて「早かった!」や「遅すぎた!」さらに「ドンピシャ!」などは、訪れてみないと分かりません。
残念な結果で終わることも多々あるのですが、それもひとつの「お楽しみ!」と考えて、出かけるようにしています。
最盛期を迎えた淡墨公園に向かう車の渋滞は・・・
本来でしたら「桜の名所」として名高い「淡墨桜」だけに、遅くても、朝一番の8時00分くらいには、現地に到着しておきたいところですが、今回は見事に寝坊です!
1週間後に訪れては、見ごろは越えてしまいます。
大阪在住であるため、到着までは、3時間は見ておかなければいけません。
渋滞するのを覚悟して「淡墨公園」に向けて、車を走らせることになりました。
「淡墨公園」まで、残すところ3㎞と言うのに、渋滞の気配がまったくありません!
軽快に車を走らせていると、残り1㎞と言ったところで、やはり渋滞にはまります。
家を出た時には、1㎞ぐらいの渋滞で済むと思っていなかっただけに、正直なところ「助かった!」と胸をなでおろします。
現在の時刻は、朝の10時40分となるのですが、少しずつですが、停滞することもなく、車は前には進み続けます。
こう言った人気のスポットに訪れる時の渋滞は、お昼の食事の時間でなければ、駐車場が充実しているため、それなりに車は進んでくれます。
停滞状態にはならずに、お昼前の11時15分に「淡墨公園」の駐車場に到着です!
「淡墨桜」の開花が始まることで、市営の臨時駐車場が用意されることで、合計で700台収容可能となる大型駐車場が解放されます。
その為か?たまたまか?その辺はよく分かりませんが、渋滞しそうな時間にもかかわらず、長蛇の渋滞にはなりませんでした。
しかし、超が付くほど人気のある「桜の名所」となりますので、やはり早い時間帯に訪れることを、お勧めしておきます。
また、桜の開花時期に関しては、普段は無料で利用できる駐車場も「有料」となり、普通車でしたら、一回500円が必要となります。
お花見シーズン真っ只中の淡墨公園は大賑わいです!
駐車場から「淡墨公園」までは、軽い登りのスロープとなりますが、お花見シーズンと言うこともあり、多くの露店が立ち並んでいて、園内は大賑わいになっています。
そんな、露店が立ち並ぶ軽い登りのスロープは、200m足らずとなりますので「淡墨桜」までは、数分で行くことができます。
「淡墨公園」の園内は、思っていた以上に広々とした「芝生広場(4500平方m)」があり、野外ステージなども完備されていて、一年を通して、さまざまなイベントが開催されると言います。
そんな広々とした園内には、見渡すかぎり多くの人で大賑わいになっているのですが「日本三大巨桜」のひとつに選ばれている「淡墨桜」の姿も同時に見ることができます。
「淡墨公園」の「芝生広場」では、お花見を楽しみながら、お昼のお弁当を広げている方の姿も多くあります。
淡墨桜は変化を楽めるのが魅力的です!
「淡墨桜」の魅力は、樹齢が1500年以上と言うこともありますが、それ以外にも「変化を楽しむことができる!」と言うのも、魅力のひとつになっています。
まず、つぼみの時期には、薄く綺麗な「ピンク色」の姿となります。
満開になることで、花びらが「白く」変化した姿になります。
散りぎわになると、独特な「淡い墨色」に、変化していく姿を見ることができます。
そんな、変化していく姿にちなんで付けられたのが「淡墨桜」の名前の由来と言うことです。
今までにも、樹齢が数百年と言う一本桜を、数多く訪れてきたのですが、樹齢が1500年以上と言われる「淡墨桜」の姿は、今まで見てきた名桜とは、少し違ったオーラを感じることができます。
このような見方をする人が、どれ程いてるのか分かりませんが、桜の古木ならではの特徴的な姿で、数多くの支柱で支えられている姿が「淡墨桜」の存在感を、より一層引き立たせているように思い、見る者に感動すら与えると管理人は考えています。
そんな「淡墨桜」は、近年になって「幹の老化」が進んだことにより、幹の内部にできた空洞が、徐々に広がりつつあると言うことです。
全国にある、数百年の樹齢を持つ桜の木は、関わる人々の手厚い保護によって、毎年のように元気な花を咲かせています。
「淡墨桜」も同じく、樹木医や地元の人達による、手厚い保護によって守られています。
毎年のように、異常気象の厳しい環境が続く近年ではありますが、頑張って満開に花開く姿を見せて頂きたいものです。
淡墨桜の子孫として植樹「淡墨桜二世」
「淡墨桜」の後方にある、少し小高くなった場所には(写真でいうと左側)「淡墨桜二世」と、名前の付けられた名桜があります。
樹齢は100年ほどになるため、初代「淡墨桜」と比べると、すべてにおいて若々しさを感じます。
幹の太さに関しては、まだまだ細いものですが、樹高に関しては、初代「淡墨桜」を、越えていると思われます。
樹齢100年を越えてきた「エドヒガン」となり、花づきの良さから見ても、現在が最高の時で「淡墨桜」をしのぐほどの、見事な花付きぶりとなっています。
現在では「岐阜県」や「愛知県」のあちらこちらに苗木を分けて「淡墨桜の子孫」として、植樹されていると言うことです。
観音堂で御朱印を頂くことができます!
「淡墨桜」のお花見は、360度から観賞できるように、周囲に散策路が設けられています。
散策路の階段を登り進めて行き、左手側に30mほど進むと「弘法堂」があり、右手側に10mほど進むと「観音堂」があります。
「観音堂」が鎮座するあたりからは「淡墨桜」の後ろ姿が、比較的近い位置から見ることができます。
さらに「観音堂」では「御朱印」を頂くこともできます。
「御朱印」の料金は、ちょっとだけお高いめの「2種類のセット」で、700円になっています。
「御朱印集め」をしている方は、忘れずにお立ち寄りください。
尚「御朱印」に関しては、基本的には、ひとつにつき300円を納めれば、誰でも頂くことができます。
「御朱印」に関しては、寺社で参拝しなければ頂けないと言うものではなく「仏像鑑賞」や「パワースポット巡り」など、別な楽しみも兼ねた証として頂くと言う考え方もあります。
寺社を訪ねるだけでなく「御朱印集め」は「何を書くのか?」や「どんなハンコ(朱印)を押すのか?」さらに「字の良し悪し」などを、楽しみのひとつとして収集するのも良いものですよ。
管理人は、訪れた寺社仏閣では必ず「御朱印」を頂いているので、正確に数えたことはないですが、知らず知らずの間に「1000」に手が届きそうなくらいになっています。
「御朱印集め」を、始めようとお考えの方には、是非お勧めしたいと思います。
尚、近年では「御朱印」を「スタンプラリー」のように、参拝もしないで頂きに行く方が増えていると言うことですが、最低限のマナーとしては、参拝が終了してから頂くことをお勧めしておきます。
さて「御朱印」を頂いたところで「淡墨桜」の散策が、すべて終了となります。
推定樹齢1500年以上の古木で、近年では幹の老化が年々進んでいる「淡墨桜」だけに、あとどれくらいのあいだ、立派な花びらを満開に咲かせてくれるかが分からないのが現状となります。
いつか訪れようと考えている方は、なるべく早めに訪れることを、お勧めしておきます。
今回は、満開に近い「淡墨桜」の姿を見ることができて、本当に訪れて良かったと思います!
1500年もの長い間、満開に花びらを付けて、多くの方をお出迎えしている名桜「淡墨桜」より、並々ならぬパワーを頂いたところで「気まぐれファミリー」は、賑わい続ける「淡墨公園」をあとにする・・・
淡墨公園のアクセス及び駐車場情報!
【基本情報】
*基本情報は、できる限り新しい情報を掲載することを心掛けていますが、すべての変化に対応できないのが現状となりますのでご了承ください。
「淡墨公園」(淡墨桜開花時期)
- 住所:岐阜県本巣市根尾板所字上段995(淡墨公園)
- 電話:0581-38-2511(本巣市役所根尾分庁舎 総務産業課)
*観光専用ダイヤル:0583-23-0880(自動音声) - 時間:公園内散策自由
- 観覧料金:無料
- 駐車場:有料(700台*市営臨時駐車場)「第1駐車場~第4駐車場:1日1回/普通車(500円)・バイク(200円)・マイクロバス(1000円)・大型観光バス(2000円)」
アクセス:【公共交通機関】「樽見鉄道」の「大垣駅」から終点「樽見駅」まで約1時間でその後「淡墨公園」まで徒歩950m(約15分)
【お車】「名神高速道路」の「岐阜羽島IC」から45km(約1時間20分)
「名神高速道路」の「大垣IC」から45km(約1時間20分)
「東海北陸自動車道」の「岐阜各務原IC」から43km(約1時間10分)
「東海環状自動車道関」の「広見IC」から36km(約50分)
最後までお付き合いいただき、本当にありがとうございます。
「淡墨桜」は「日本五大桜」及び「日本三大巨桜」のひとつとして、数えられる名桜となるのですが、その名にふさわしい佇まいでお出迎えしてくれます。
この先の老化の進み具合によっては、いつまで満開に花を付けてくれるか、正直なところ分からないのが現状となっています
1年でも早く訪れて、是非一度、凛とした立ち姿を、ご自身の目でご堪能下さい!
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