今回紹介するのは、兵庫県養父市大屋町樽見にある、県下一と言われる一本桜の名桜「樽見の大桜」です。
「樽見の大桜」は、彼岸桜の一種「エドヒガンザクラ」となるのですが、標高約350メートルの山の斜面にそびえ立つ姿は、樹高が13.8メートルで、目通り幹囲が6.3メートル、根周りが9.0メートルで、枝張りに関しては、東西に14.4メートルと、南北に21.2メートルの広がりを魅せる、県下一の老大樹となっています。
推定樹齢が1000年とも言われている「樽見の大桜」は、全国に立つ桜の木の中でも、樹齢及び幹囲ともに「ベスト10」に入る名桜となります。
そんな「樽見の大桜」は、昭和26年(1951年)の6月9日に、国が指定する「天然記念物」に指定されています。
「樽見の大桜」は、古き時代より「山の神の依代(よりしろ)」と信仰されていたため「仙人の桜」の意味からとって、別名「仙桜(せんざくら)」とも呼ばれています。
2000年頃には、大雪などの影響によって樹勢が衰え、大枝も枯れたり折れたりして、枯死(こし)が危ぶまれた時もあったのですが、地元の方や樹木医の手厚い保護によって、近年では持ち直してきています。
「樽見の大桜」の、根元周りや大枝周りには、あらゆる災害から保護するための「櫓(やぐら)」が組まれているのですが、類を見ない特徴的な姿となります。
1000年の時を経た現在も生命力は健在で、支柱に支えられ、櫓を組まれて鎮座している姿は、まさに県下随一の存在感となります。
そんな、1000年の時を経て、県下随一の存在感を誇る「樽見の大桜」の紹介となります。
準備が整いましたら「樽見の大桜」の、散策スタートです!
樽見の大桜【仙桜】樹齢1000年の貫禄【アクセス・駐車場】
寒い冬が終わって温かみを帯びてくると、桜のお花見シーズンが始まり、日本の「国花」とも言うべき、桜の開花の便りが各地で発表されると、自然と心が弾んできます。
桜の楽しみ方は、人それぞれとなるのですが「あっ!」と言う間に過ぎ去る、満開に花ひらく桜を楽しむため、日々の疲れも忘れて、たくさんの方が桜観賞に出かけます。
管理人である「ヒロ兄」の桜の楽しみ方は「一本桜」を中心とした、観賞スポットに出かけています。
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今回紹介する一本桜は、兵庫県の養父市に、1000年以上鎮座し続ける「仙桜(せんざくら)」こと「樽見の大桜」です。
毎年の悩みとして「桜と紅葉の見頃」に関しては、ドンピシャのタイミングで訪れるのは、本当に難しいと悩みます。
遠方まで出かけて「早かった!」や「遅すぎた!」さらに「ドンピシャ!」などは、訪れてみないと分かりません。
残念な結果で終わることも多々あるのですが、それもひとつの「お楽しみ!」と考えて、出かけるようにしています。
見頃を迎えた樽見の大桜の交通状況!
桜のつぼみが開花し、見ごろを迎えた「樽見の大桜」は、毎年のようにたくさんの方が訪れます。
「樽見の大桜」の開花は、例年4月上旬となっており、本日は4月17日となるため「少し見頃を越えているかも?」と、少し不安を抱えながら車を走らせています。
大屋川沿いに伸びる「県道6号線」より、村の農道へと入ったら、さらに走り進めて行くと、山道へと入っていきます。
県道から「樽見の大桜」の駐車場までは、1km足らずと近いのですが、渋滞している気配がまるでありません!
整備の行き届いた山道を、軽快に車を走らせていると、山の中腹あたりにある無料の駐車場が、右手側に見えてきます。
先客の車が2台止まっているだけで、特に賑わいもない状態に、不安だけが大きくなっていきます。
樽見の大桜の観賞ポイントまでは山道を歩き進めます!
車を降りると同時に、駐車場の隅にある登山道へと歩みを進めます。
ここから先「樽見の大桜」の観賞ポイントまで行くには、登山道を400mほど歩き進めることになります。
歩き始めは階段で、一歩、また一歩と、歩き始めたのは良いのですが、たくさんの方が訪れることで踏み固められた土が、前日に降った雨で濡れいるため、かなり滑ります。
階段も急勾配になっているため、滑り落ちそうで歩きづらいです!
最初の難所となる階段を登りきると、続いての難所は、ゴツゴツした岩が足元に点在する登り坂で、さらに滑りやすい山道へと変わっていきます。
濡れて滑る登り勾配の斜面に足を取られて、思うように前に進まないのですが、四苦八苦しながら歩き進めることで、体力だけがどんどん消耗していきます。
400m足らずの道のりで、特に問題は無いはずでしたが、半分も歩いていないと言うのに、すでに息があがっています。
肩で息をしながら歩き進めていると、びっしりと苔むした大自然の残る森へと変わり、神秘的な雰囲気が、辺り一体を包み込んでいます。
深い森を抜けると、山を切り開いた空間が広がりを魅せるのですが、ふと空を見上げると「樽見の大桜」が、凛とした姿でお出迎えしてくれます。
「分岐点」となるこの場所では、2つの登山道から選択して「樽見の大桜」まで向かうことになります。
ひとつ目は「樽見の大桜」まで、急勾配の傾斜を直線的に登っていく「近道!」と書かれている道で、足元の悪さから非常に困難な感じになっています。
もうひとつは、基本的な登山道で、なだらかな勾配を、ジグザグ状に折り返して登る「つづら折りの道」になっているため、その分だけ歩く距離が長くなります。
我が姫君は、基本的な登山道の「つづら折りの道」を選択したのですが、管理人は、歩く距離の短い「近道!」を選択して、それぞれ分かれて登り始めます。
軽快に歩き進めている、我が姫君に対して「近道!」を選択した、管理人はと言いますと、なかなか上に進めません。
足元のぬかるみが酷いうえに、勾配がかなりきつく、おまけに雨まで降ってくる始末です!
「樽見の大桜」は、すぐ目の前だと言うのに、なかなか近づくことができません。
しかし、この角度から見ることができる「樽見の大桜」の立ち姿は、格別に見ごたえがあります。
斜面に組まれた石垣よりそびえ立ち、支柱で支えられながら「櫓(やぐら)」に囲まれた「樽見の大桜」の姿は、力強さを感じさせます。
「早く間近で見たい!」と、気持ちばかりが前に進み、足が前に進みません。
ズルズルと滑り、靴もドロドロになりながら、何とかの思いで登り切ったころには、我が姫君は「樽見の大桜」の観賞を、すでに始めています。
管理人は「樽見の大桜」の観賞は後まわしにして、とりあえず膝のガクガクを止めるため、座り込みの休息をとります。
訪れた際は、足元の状況により「近道!」と言う文字に騙されず、基本的な登山道を選択して、歩き進めて行くことをお勧めします。
大人気の桜の名所の樽見の大桜は穴場スポット?
先客者は、駐車場に止まっていた2台の車の方で、やはり、それ以外には誰もいないようです。
「樽見の大桜」の見頃としては、若干だけ過ぎているだけに、枝の所々には、緑の葉が付いています。
しかし、淡いピンクの花びらを、枝いっぱいに咲かせている姿からは、並々ならぬ力強さを感じます。
恐らくは、前日に降った雨の影響と、本日の天候の悪さ、さらには見頃を少し越えていると言うのが、大きく影響しているかと思うのですが、これほど立派な、樹齢1000年の「樽見の大桜」だと言うのに、訪れる方があまりにも少な過ぎます。
それでも、先ほど歩いてきた山道には、確かに「たくさんの方が訪れたであろう!」と、見て分かるほどに、土が踏み固められていました。
もしそうでなければ、超に超が付くほどの「穴場のスポット!」になりますので、ゆっくりとお花見を楽しみたい方には、お勧めします。
山の神が宿る樽見の大桜の別名は仙桜です!
切り開かれた山の中腹に、ただ一本そびえたつ「樽見の大桜」は「仙人の桜」と言う意味を込めた「仙桜」と言う別名があり、その名のとおり「不老不死」を得た、桜の木の姿に見えてきます。
古き時代より「山の神の依代(よりしろ)」と信仰されて、大切に保存され続けている「樽見の大桜」だけに、その存在感自体が半端ありません!
近づいてよ~く見ると、1000年と言う年月を越えてきた傷跡がたくさんあり、その味わい深い傷跡によって、より一層の凄みを感じ取ることができます。
まるで「鎧」をまとったかのように「樽見の大桜」の周りを取り囲む櫓(やぐら)ですが、2000年頃に起きた、大雪などの影響によって、大枝が枯れたり折れたりして樹勢が衰えたと言います。
その後「枯死(こし)」が危ぶまれる時があったのですが、地元の方をはじめ、樹木医の手厚い保護のもとで、再び勢いを持ち直したのですが、今後も起こりえる「被害除け」のために、櫓が組まれたと言うことです。
この地に鎮座し、1000年の時を経て、大きく成長した「樽見の大桜」の目通り幹囲は6.3メートルあり、根周りに関しても9.0メートルあるので、近くで見るとさすがに見ごたえがあります。
現在の樹高は13.8メートルになってしまいましたが、最盛期の頃には、20m近くの大木であったと言います。
枝張りに関しても、20間(36.3m)四方にわたって広がりを魅せ、圧倒的な存在感であったと言います。
本日は、見頃をほんの少し越えてしまったのですが、その分「樽見の大桜」を、ほぼ独り占めで観賞できたことは、本当にラッキーであったと思います。
本来でしたら、たくさんの方が訪れることで、ゆっくりと観賞できなかったのではないかと思います。
「樽見の大桜」を観賞するまでには、少しだけ足元の悪い山道を歩いて行かなければいけないことと、たくさんの方が訪れて「ゆっくり観賞できない!」と言う難点があるにしても「山の神の依代(よりしろ)」として名高い「樽見の大桜」は、一度は訪れておくことを、お勧めしておきます。
その年の気温によって、多少の前後があるかと思いますが、4月上旬~4月中旬あたりが見頃となりますので、そのあたりを目安に訪れることをお勧めします。
最後に、登山道は大変滑りやすく、思っている以上に歩きにくい状態になっていますので、履きなれた靴をお持ち頂くことも、お忘れの無いように・・!
と、言ったところで「樽見の大桜」の散策が、すべて終了となります。
山の神の依代である「樽見の大桜」より、1000年と言う生命エネルギーを頂き、みなぎる力を感じた得た「気まぐれファミリー」は、新たな一本桜へと車を走らせる・・・
樽見の大桜のアクセス及び駐車場情報!
【基本情報】
*基本情報は、できる限り新しい情報を掲載することを心掛けていますが、すべての変化に対応できないのが現状となりますのでご了承ください。
「樽見の大桜」
- 住所:〒667-0302兵庫県養父市大屋町樽見字ケジメ85
- 電話:079-669-1104・FAX:079-669-1104(養父市立大屋町観光協会)
- 時間:散策自由
- 定休日:年中無休
- 観覧料金:無料
- 駐車場:無料(20台)
- アクセス:【公共交通機関】「JR山陰本線」の「八鹿駅」を下車して「全但バス(大屋明延行き)」に乗車して「中村下」のバス停留所で下車して徒歩2.1km(約30分)
【お車】「北近畿豊岡自動車道」の「養父IC」を降りて「駐車場」まで9.8km(約20分)
「北近畿豊岡自動車道」の「八鹿氷ノ山IC」を降りて「駐車場」まで10km(約20分)
最後までお付き合いいただき、本当にありがとうございます。
「樽見の大桜」は、桜の木全体を、大きな櫓(やぐら)で囲い込んだ、大変珍しい立ち姿になっています。
観賞ポイントまで400mの登山道を歩いて行かなくてはいけないのですが、その先に待つ絶景とも言える姿は、見ごたえ十分となっています。
恐らくは、たくさんの人が訪れて、ゆっくり観賞とはいかないと思いますが、是非一度訪れて、ご自身の目でご堪能下さい!
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