今回紹介するのは、京都府南丹市園部町の南西部にある「るり渓」にて行うハイキングです。
「るり渓」は、標高500メートルの高原に位置する「京都府立るり渓自然公園」の一角にあるのですが、大自然が残る緑豊かな渓谷は、昭和7年に国の名勝に指定されています。
さらに「るり渓」は、全国738件の応募の中から「音風景100選」に選ばれているほか「京都の自然200選」にも選定されています。
「るり渓」の「るり」と言うのは、紫色をおびた「紺色の宝石」のことを言い、明治時代にこの地を訪れた行政の長官があまりの美しさに感動たことに対して命名したと言われています。
標高500メートルに位置する長さ4kmを誇るハイキングコースには「るり渓12勝」と呼ばれる「滝」や「岩」を中心とした見どころが数多く点在しています。
春夏秋冬によってさまざまに変化していく、両岸に立ち並ぶ木々や花々を眺めながらハイキングを楽しむことができます。
今回は、ハイキングコースに点在する「るり渓12勝」を中心に紹介していこうと思います。
準備が整いましたら「るり渓」のみどころとなる「るり渓12勝」の散策スタートです。
るり渓~ハイキング【アクセス・駐車場】るり渓12勝を攻略
今回は京都府南丹市園部町の南西部にある渓谷の「るり渓」にてハイキングを行うため、朝一番となる9時に「るり渓」の駐車場に到着です。
朝一番と言うこともあるのか?先客の車はわずかに1台だけです。
残念なことですが「るり渓」のハイキングの知名度は決して高いほうではありません!
今回管理人は上流側の見どころのひとつとなる「通天湖」から下流側にある「鳴瀑」に向けて、下りで歩き進めて行く形のハイキングを選択しました。
到着してすぐ目の前にある「るり渓」への出入口となる「渓流歩道入口」より滝道へと歩き進めて行きます。
本来でしたら、下流側にある見どころのひとつとなる「鳴瀑」側から登りでハイキングを進めていくのが基本となります。
「るり渓」のハイキングはどちらから歩いても一本道の滝道を「鳴瀑」から「通天湖」までを「往復するコース!」となります。
何故、下流側の「鳴瀑」から歩き始めるのが基本となるのかは、下流側には上流側より大きな駐車場があるのと、おみやげ屋さんやお弁当などを食べられる広い場所があるからです。
そんなこともあるのですが、管理人は先に楽な下りで歩き進めるハイキングを選択したと言うことです。
天に伸びる通天湖は水の大カーテン!
「渓流歩道入口」より渓谷に入って滝道に行くまでには、かなり急勾配な階段を降りて行くことになりますが、下に降りると同時に「るり渓12勝」のひとつ「通天湖」がお出迎えの滝となります。
「るり渓12勝」のひとつ「通天湖」は、まるで水のカーテンを掛けたように壁伝いに水が流れ落ちてくる形の滝となるのですが、ファーストインパクトとして眺める「水のカーテン」は迫力満点で見ごたえ十分です。
壁の向こう側には大きな「通天湖」があってその「通天湖」が「天にも届かんばかりの高いところにある!」と言う意味から付いた名前となっています。
「通天湖」は「るり渓」の最上流に位置しているですが、別名として「るり湖」とも呼ばれています。
壁の高さは12.5メートルあり、絶え間なく流れ落ちてくる水は手を伸ばせば触れることができる距離間ですので、存在感も抜群です。
そんな「通天湖」をあとにして、少し滝道を歩き進めて行くと「るり渓12勝」のひとつとなる「会仙巖(かいせんがん)」があります。
「るり渓12勝」のひとつとなる「会仙巖」は、仙人が大勢集まって滝の流れ落ちる水に杯を流して「曲水の宴」を楽しんだと言われています。
「曲水の宴」は平安時代の雅やかな宮中行事となるのですが、上流から流されて来る杯が自分の前を通り過ぎるまでの間に「歌を短冊にしたためて盃のお酒を飲み干す!」と言った、詩歌を披講する行事のことです。
続けては「るり渓12勝」のひとつとなる「爛柯石(らんかせき)」も近くにあるのですが、撮ったはずの写真が家に帰ってみるとありません!
残念なのですが、致し方ありません!(;^_^A
お写真はありませんが「るり渓12勝」のひとつ「爛柯石」は「小判のような姿をした岩」となりますので、訪れた際のお楽しみとして下さい!
気を取り直して歩みを進めて行くと「るり渓12勝」ではない見どころが次々と現われてきます。
清らかで美しくて水が波立たないような静かな水ぎわと言う「濯錦汀(たくきんてい)」からはじまり、碁盤のように正方形の姿となる「碁顛石(ごてんせき)」が続きます。
その先には、平らで大きな岩が綺麗に並ぶ浅瀬があるのですが、小さな段差が沢山あって水が流れて落ちることで小さな滝を作っている様子を見ることができます。
その様子が、うす絹を洗って濯いでいるように見えることから「浣紗瀬(かんさせ)」と言う名称が付けられています。
「浣紗瀬」を過ぎると続けざまに姿を現すのが、亀の形をした奇石「宝亀巌(ほうきがん)」です。
るり渓12勝の見どころのひとつ水晶簾
不思議な亀の形をした奇石をあとにして歩き進めて行くと「るり渓12勝」のひとつとなる「水晶廉(すいしょうれん)」に到着となります。
「るり渓12勝」のひとつ「水晶簾」は、滝の水の流れ落ちる様子が、まるで水晶のすだれが掛かっているかのように美しく見えることからそう呼ばれています。
小ぶりな滝の「水晶簾」ではありますが、岩肌がとても複雑な形状になっていることで水の流れ方が大変綺麗な名瀑ですので、見ごたえとしては十分です。
そんな「水晶簾」をあとにして、さらに歩みを進めているとまたしても連続して見どころが現われます。
まずは「るり渓12勝」のひとつとなる「玉走盤(ぎょくそうばん)」があります。
「るり渓12勝」の「玉走盤」は、岩の上を流れる水がまるで盤上を転がる玉のようでとても綺麗です。
この「玉走盤」まで来ると約4kmのハイキングコースの約半分近くまで歩いたことになりますが「るり渓」の渓流歩道は比較的綺麗に整備されているので、とても歩きやすくて見どころも多いため、疲れることも無くまだまだ歩けそうです。
浅瀬となる「玉裳灘(ぎょくしょうたん)」があり、その後、広いせせらぎに突き出た岩がたくさんあるのですが、それらが小さな滝をつくり「琴」を弾いているように見える「弾琴泉(だんきんせん)」があります。
さらに、のびやかなせせらぎの「暢申澗(ちょうしんかん)」があり、平らな岩の「膏臥石(こうがせき)」へと続いていきます。
龍にまつわる見どころが満載の双龍淵
しばらく歩き進めて行くと小さな橋が架かっているのですが、その奥に「るり渓12勝」のひとつとなる「双龍淵(そうりゅうえん)」が姿をあらわします。
「るり渓12勝」のひとつ「双龍淵」は、雄と雌の龍が水中を泳いでいる深い淵となり、別名 「鉈淵(なたふち)」とも呼ばれています。
また、白いうなぎが鉈(なた)を吸い込んだと言う伝説も残っています。
続けざまに「るり渓12勝」のひとつとなる「渇虯澗(かっきゅうかん)」があります。
「るり渓12勝」のひとつ「渇虯澗」は「龍の水飲み場!」と言う意味を持っています。
さらに、ここには「サンショウウオ」が住んでいると言われています。
一般的に名前が知られているのは、全長50cm〜150cmとなる、世界最大の両生類のひとつの「オオサンショウウオ」ですが、それ以外の種類は20cm以下と、少し小型となります。
続けて「るり渓12勝」のひとつとなる「螮蝀泉(たいとうせん)」があります。
「るり渓12勝」のひとつ「螮蝀泉」は、滝の水しぶきによって美しい虹ができる泉のことを意味します。
さらに、龍が歌を歌っている深い淵を意味する「龍軻譚(りゅうかたん)」と続いたところで「龍」に関する呼び名のものが終わります。
ここまで来ると、すでに中間地点は越えています。
ここからは、終盤に向けての見どころの「るり渓12勝」となりますが、まずは「快刀巌(かいとうがん)」の姿があります。
見どころのひとつとなる「快刀巌」は「一体なぜ?こんなことになったか?」と、全く分からないような状態で、岩のあいだから松の木が突き出しています。
そんな「快刀巌」を横目に見ながらしばらく歩き進めて行くと「渓流歩道の出口」が見えてきます。
ここから先は、一般道の脇道(わきみち)を歩き進めて行く形となります。
名僧一糸和尚が座禅を組んだ座禅石
「るり渓12勝」も、ここまで来ると終盤戦となるのですが、まずは車道左手側に「るり渓12勝」のひとつとなる「座禅石(ざぜんせき)」が見えてきます。
「るり渓12勝」のひとつ「座禅石」は、高さが2mほどあって幅に関しては6mぐらいあります。
奥行きは2mほどの平らな巨石で石の表面は所々味わい深く苔むしているのですが、その名の通り「座禅」を組むには最適な巨石となります。
1630年頃に活躍した貴族出身の名僧「一糸和尚(仏頂国師)」が、この岩の上で座禅をしたと言われています。
そんな「座禅石」の上に登って見渡すと「るり渓12勝」のひとつとなる「鳴瀑(めいばく)」を中心として、渓流の様子や対岸に点在する奇岩などを一望できます。
鳴瀑はるり渓12勝で一番の見どころ
この時点で「るり渓12勝」は、残すところ3勝となりました。
先程も言いましたが「座禅石」の前には「るり渓12勝」の中で一番の見どころと言っても過言ではない「鳴瀑(めいばく)」があります。
「るり渓12勝」のひとつ「鳴瀑」は、滝の裏が空洞になっていて音がすることから「鳴瀑」と呼ばれています。
「鳴瀑」は、常に水量が豊富な滝となっており「鳴瀑」をはじめとした周囲を取り囲む景観は見事なまでの景色を作り出しています。
滝の正面には滝見の場となる休息所も設置されており、そこから眺める「鳴瀑」の景色は格別なものとなります。
さらに「鳴瀑」に雨乞いの祈願をするためのお地蔵様を括り付けて、滝壺に沈めたと言う古事も残っています。
「鳴瀑」の後ろには「るり渓12勝」のひとつとなる「錦繍巖(きんしゅがん)」があり、秋の紅葉のシーズンには錦の縫い取りをしたような美しい景観が楽しめるとのことです。
「錦繍巖」までで「るり渓11勝」となるのですが、最後の1勝は「掃雲峰(そううんぽう)」と言います。
別名「天狗岩」とも言われ、現在では樹木が生い茂っていて形すら判別できないのですが、隣の山の頂上に「天狗の鼻」のように斜め上に突き出ている大きな岩があるのですが、その昔「天狗」がこの岩で休んだと言われています。
昭和初期までは、かんばつの年には、この「天狗岩」の上で柴を焚いて雨乞いをしたそうです。
「掃雲峰」を入れて、以上が「るり渓12勝」となります。
「るり渓12勝」の紹介は以上となりますが、約4kmのハイキングコースは普通に歩くと1時間半ぐらいで歩けると思いますが、今回はゆっくり散策したので2時間ぐらいかかりました。
約4kmの道のりでお手洗いは最初と最後にあるのと、渓谷内にも一ヶ所あるので小さなお子様連れや女性の方も安心です!
下流からの出発地点には1件のおみやげ屋さんがあって適当な買い物はできるのですが、観光地化していないのでおみやげ屋さんと言えるほどの品揃えはありませんでした。
散策後はバーベキューで空腹を満たせ!
下流地点では、あちらこちらで「バーべキュー」や「水遊び」をしています。
今回はバーベキューをするつもりで準備はしてきたのですが、車は上流側の駐車場となります。
用意した材料を取りに行くためには、今歩いてきた約4kmのハイキングが必要になるのですが、最悪なことに帰りは登り一辺倒の道となります。
ここにきて、少し失敗したようにも思います。
少し休憩を挟んで上流に向けて登りだします。
脇目も振らずに、ただひたすら歩き続けます。
息も切れぎれになりつつも13時30分に下流にある駐車場に車を止めると、早速にもバーベキューを開始します。
空腹と疲れた体に鞭を打ちながら手分けして準備をします。
周囲からは良い匂いがしてくるので、気が焦ります!
本日はとても天気が良くて周りの景色も素晴らしいので、気分は最高となります。
十分にバーベキューを楽しんでお腹も満たされたので、もう何も言うことはありません。
「るり渓」は、ハイキングコースとしては程よいコースで訪れやすいのですが、観光地化されていないことでゆっくりと散策できます。
夏のシーズンになると恐らく家族連れをはじめ友達同士などがたくさん訪れて、バーベキューを楽しみながらの水遊びができるスポットになることが予想されます。
今回は「るり渓12勝」を中心に紹介を進めましたが「るり渓12勝」以外にも見ごたえのある景観や滝が次々と姿を現しますので、思っている以上に早く折り返し地点まで行くことができます。
下流側よりハイキングを始めると比較的に登りが多いので辛いかと思いますが、折り返してからは軽い下りの道が多いので比較的に楽に歩き進められます!
最後の折り返し地点まで行くことも大事なことですが、自身の体調によっては「途中でも引き返す勇気!」も必要であると言うことを忘れずに楽しむことをお勧め致します。
最後に1つ、ハイキングを行うにあたっては道中ですれ違いざまに「こんにちは!」などと挨拶をすることが多いのですが、何気ない挨拶も山では「存在確認!」と言う貴重な情報交換の手段となります。
疲労が溜ってきた時に人は挫けそうになるのですが、すれ違いざまに「こんにちは!頑張りましょう」の一声は不思議なパワーを貰えるものです。
当然ですが、あなたの発する一声も同じように挫けそうになっている方に大きなエネルギーを与えることになります。
大自然の山中だからこそ、人が人を支える力を肌で感じることができるのですが、これもハイキングならではの醍醐味であり、大切な繋がりになりますので、最初は恥ずかしさもあるかと思いますが、是非「エールの交換!」も同時にお楽しみください!
これで「るり渓」の「るり渓12勝」のハイキングは、すべて終了となります。
お腹も満たされ心も満たされた「気まぐれファミリー」は、晴れやかな気持ちで「るり渓」をあとにする・・・
るり渓のアクセス及び駐車場情報!
【基本情報】
*基本情報は、できる限り新しい情報を掲載することを心掛けていますが、すべての変化に対応できないのが現状となりますのでご了承ください。
「るり渓」
- 住所:〒622-0065京都府南丹市園部町大河内榎
- 電話:0771-68-0050(南丹市商工観光課)
- 時間:入園自由
- 入園料:無料
- 休園日:無休
- 駐車場:無料(30台)
- アクセス:【公共交通機関】「JR西日本旅客鉄道」の「園部駅」から「京阪京都交通バス(園篠線)」に乗車して「るり渓口」のバス停留所で下車して徒歩4.9km(約1時間)
「JR西日本旅客鉄道」の「園部駅」から「京阪京都交通バス(八田線)」に乗車して「八田(八田南)」で下車して「南丹市営バス(ぐるりんバスの西本梅スクール・癒しの森線)」に乗り換えて「るり渓」のバス停留所で下車してすぐ
【お車】「大阪方面」からは「阪神高速11号池田線」の「池田木部IC」を降りて「国道173号線(能勢街道)」をひたすら北上して行き「はらがたわトンネル」を通過したらすぐ「道路標識」に従い「亀岡・るり渓方面」に右折して「府道731号線」に入り走り進めた先の突き当りを左折して「府道54号線」をしばらく進むと「るり渓」に到着です30.6km(約45分)
「京都方面」からは「京都縦貫道」の「千代川IC」を降りて「府道73号線」をしばらく走り進め「宮川」の交差点を右折して「国道372号線」に入りその先にある「南八田」の交差点を左折して「府道453号線」から「府道54号線」を経由して「るり渓」に到着です14.5km(約20分)
または「新名神高速道路」の「川西IC」を降りてすぐ左折して「県道721号線」を東に向かって進み「東畦野」の交差点を左折して「国道173号線(能勢街道)」を北上して行き「はらがたわトンネル」を通過したらすぐ「道路標識」に従い「亀岡・るり渓方面」に右折して「府道731号線」に入り走り進めた先の突き当りを左折して「府道54号線」をしばらく進むと「るり渓」に到着です27.6km(約40分)
最後までお付き合い頂きまして、本当にありがとうございます。
「るり渓」の景観は大変素晴らしく、大自然を満喫しながらハイキングを満喫できる渓谷になっています。
恋人と歩くも良し、家族で歩くも良し、老若男女問わずに楽しめて心に残るハイキングになるかと思います。
是非一度、お弁当を片手にお出かけになり、
是非一度、清流に点在する個性豊かな「るり渓12勝」をはじめ、岩や滝さらには大自然に触れながら歩き進めて、日頃の運動不足の解消と目の保養をご堪能下さい!
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