今回紹介するのは、奈良県御所市櫛羅に位置し、大阪府の最高峰となる「大和葛城山」の山頂を目指す「ハイキング」です。
奈良県の御所市と、大阪府の南河内郡千早赤阪村との府県境に位置する「大和葛城山」は「金剛生駒紀泉国定公園」の一角に位置し、大阪府を代表する名山のひとつとなります。
「金剛生駒紀泉国定公園」とは、奈良県と大阪府の府県境の「生駒山地」や「金剛山地」の一帯と、大阪府や和歌山県の府県境の「和泉山脈」の一帯からなる、国定公園のことになります。
大阪府の最高峰となる「大和葛城山」は、標高959.2メートルを誇る名山となるのですが、実は南側には、標高1125メートルを誇る「金剛山」があるのですが、山頂は「奈良県」に位置するため、大阪府の最高峰とはならないのですが、大阪府の「最高地点」に関しては「金剛山」の1056メートル地点となります。
「大和葛城山」の山頂には「二等三角点」が設置され、非常に展望が優れているのですが、西方向に「大阪平野」をはじめ「六甲山系」や「北摂の山々」さらには、大阪湾や遠く淡路島を望むことができ、東方向には「大和平野」を中心に「三輪山」さらに遠く「大台ヶ原・大峰の山々」が広がり、南に「金剛山」や「奥吉野」北に「生駒山系」など、360度の大パノラマの景色を望むことができます。
「大和葛城山」は、単に「葛城山」と呼ばれることが多く、山頂付近は「葛城高原」と呼ばれ、春の「つつじ」の開花時期となる、5月上旬~中旬にかけては、多くの観光客が訪れるのですが、眼下に望む「一目百万本」のつつじの群生が大変有名で、訪れた観光客の目を楽しませてくれます。
また、秋が近づく10月上旬から11月の上旬にかけての、約1か月間ほどのあいだは「ススキの群生地」となり、高原一面にススキの穂が波打つ壮観な景色となります。
「葛城山ロープウェイ」を利用すれば「葛城山上駅」まで約6分で行け、山頂の「葛城高原」までは、整備された遊歩道を650メートルほど歩き進めるだけとなります。
また「葛城登山口駅」より、ロープウェイに沿って登る「櫛羅(くじら)の滝コース」と、展望の良い「北尾根コース(秋津洲展望コース)」の2通りの「ハイキングコース」が整備されており、歩いて山頂を目指すこともできます。
今回は、ロープウェイに沿って登る「櫛羅(くじら)の滝コース」を歩き進めて、山頂に設置されている「二等三角点」を目指す「ハイキング」の紹介となります。
準備が整いましたら「大和葛城山」の、散策スタートです。
大和葛城山~櫛羅の滝ハイキングコースで山頂へ【アクセス・駐車場】
今回は、奈良県御所市櫛羅に位置し、大阪屈指のハイキングの名所で知られる「大和葛城山」の山頂に設置されている「二等三角点」を目指すべく「マイカー」に乗り込み、アクセスを踏み込みます。
「奈良県御所市櫛羅に位置し、大阪屈指のハイキングの名所?」と言いましたが「大和葛城山」は、大阪府と奈良県の府県境にあるため、場所によって奈良県であったり、大阪府であったりするのですが、最高峰が大阪府に位置するため「大阪屈指の・・」と紹介しましたが、名称に「大和」と付く点から考えても「奈良県」の山のようにもイメージしてしまいますが、大阪府の最高峰は「大和葛城山」と広く知られているので・・
今回「ハイキング」を開始する「葛城山ロープウェイ」及び、2つの登山道があるのも奈良県側ですが「大和葛城山」にてハイキングを始める登山道は、奈良県側のこの2か所と、大阪府側にも2か所で、合計4つの「ハイキングコース」が、基本的には知られています。
「大和葛城山」の南には、これまた府県境に位置する「金剛山」があり、標高1125メートルを誇り「大和葛城山」より高い山となるほか、大阪府南河内郡千早赤阪村に「金剛山ロープウェイ」がありますが、標高1125メートルの最高峰は「奈良県側」にあるため、大阪府の最高峰の山とはならず、山頂の少し手前の1053メートル地点が大阪府の「最高地点」と言う、なんともややこしい感じになるのですが、そのあたりを深く掘り下げていくと「ハイキング」の紹介が出来ませんので「大阪屈指の・・」と紹介していますが「いやいや、それは違うで!」とお考えの方も、そのあたりに関してはご了承ください!
まず初めに、今回のハイキングのスタート地点となる「葛城山ロープウェイ」がある登山口への「アクセス」と「駐車場」について簡単に紹介しておきます。
葛城山ロープウェイへのアクセスは良好です!
「大和葛城山」の中腹に位置し「葛城山ロープウェイ」の乗り場となる「葛城登山口駅」へのアクセスに関しては「公共交通機関」を利用しても「マイカー」を利用しても、比較的簡単に行くことができます。
まず初めに「公共交通機関」を利用する場合ですが「最寄り駅」となるのが「JR和歌山線」の「御所駅」もしくは「近鉄御所線」の「御所駅」となるのですが「ハイキング」として訪れる場合ですと「歩く!」と言うのが、基本になるかと思いますが「葛城登山口駅」までは、3.3kmほどありますので、約45分は必要かと思います。
「いやいや歩いてられないよ!」と、お考えの場合は「タクシー」を利用するか「近鉄御所線」の「御所駅」の前にある「駅前バスターミナル」より「奈良交通バス(80・88系統)近鉄御所駅~葛城山ロープウェイ前」に約15分乗車すれば、終点となる「葛城ロープウェイ前」のバス停留所で下車してすぐ目の前が「葛城ロープウェイ乗り場」となります。
続いては「マイカー」を利用する場合ですが「大阪方面」からですと「南阪奈道路」の「葛城IC」を降りたら、1つ目の信号となる「太田南」の交差点を右折して「県道30号線」に入ります。
しばらく走り進めた先にある「櫛羅」の交差点を右折して「県道203号線」に入ったら、あとは道なりに走り進めた突き当りの手前に「有料駐車場」があります。
「葛城IC」からは、5.9kmほどですので、約12分で行くことができます。
もうひとつは「西名阪自動車道」の「柏原IC」を降りるのですが、すぐにある「柏原IC前」の信号を左折して「国道165号線」に入り「大和高田バイパス」さらには「県道30号線」を経由しながら走り進めます。
しばらく走り進めて行った先にある「櫛羅」の交差点を右折して「県道203号線」に入ったら、あとは先程と同じく道なりに進むだけです。
こちらからは、15.1kmほどありますので、約25分ほどかかるかと思います。
「伊賀・亀山方面」からですと「名阪国道」から「西名阪自動車道」を経由し「郡山下ツ道JCT」から「京奈和自動車(無料区間)」に入ります。
しばらく走り進めた先にある「御所南」の出口を降りたら、すぐにある突き当りの信号を右折して「国道309号線」に入ります。
しばらく走り進めた先の「名柄」の交差点を右折して「県道30号線」に入り、少し走り進めた先にある「櫛羅」の交差点を左折したら、上記と同じように道なりに進むだけです。
「郡山下ツ道JCT」からになると一番遠く、27.3kmほどありますが、高速道路の「無料区間」を長く走り進めるため、約30分で行くことができます。
繁忙期以外はP1もしくは最奥の有料駐車場を利用!
最後に駐車場に関してですが「葛城山ロープウェイ」には「無料駐車場」がありませんので、基本的には、手前にあるいくつかの「有料駐車場」を利用することになります。
基本的には「乗用車1回1000円・大型バス5000円・マイクロバス2500円・単車200円」と言う、駐車料金を支払うことになります。
「P1~P3」の駐車場と、突き当りまで走り進めたところにある「有料駐車場」さらに「臨時駐車場」があるのですが、訪れる時期によって「閉鎖」されている「有料駐車場」もあるのですが「県道203号線」を走り進めて行くと最初に右手側にある「葛城山駐車場・24時間利用可能」と書かれた「P1駐車場」に関しては、閉鎖されることが無い「前払い制の自動ゲート精算機」の駐車場となります。
「P1駐車場」の駐車台数に関しては、約120台の広々とした駐車場となるのですが「大型バス・マイクロバス・単車」に関しては、止めることができず「乗用車専用」の駐車場となります。
「葛城山」の山頂の「ロッジ泊」で、日を超えて駐車することになる場合は「追加料金」が発生することなくゲートを出ることができます。
「大型バス・マイクロバス」に関しては、事前に「日時・台数・サイズ(大型・マイクロ等)・ご連絡担当者・お電話番号・雨天時の中止の有無」を「御所市観光協会」に、お電話にてお知らせする必要があります。
「葛城山」は、特に「つつじシーズン時」には、非常に大勢の方が訪れますので「臨時駐車場」として、普段閉鎖されている全ての「駐車場」が開放されますが、今回のように時期外れの平日に訪れた場合には「葛城山駐車場・24時間利用可能」の「P1駐車場」と、もうひとつ、突き当りの手前にある「有料駐車場」のみが、利用できる形となります。
今回「P2駐車場」と「P3駐車場」は閉鎖されていましたが、突き当りの手前にある「有料駐車場」に関しては営業しており、料金回収のおばさんがプレハブの中にいたのですが、いつも営業しているのかは「?」となります。
「P1駐車場」も、この突き当りの「有料駐車場」も、駐車料金は同じなので、止めるなら突き当りの「有料駐車場」に止めたほうが、歩く距離が短いですし、おばさんが常駐していることで、車上荒らしなどの心配もいらないのではないかと思います。
また「葛城山駐車場・24時間利用可能」の「P1駐車場」は「自動支払機」ですが、残りの駐車場が営業している場合は、それぞれに、料金を集めるおじさんが常駐する形となります。
尚、今回管理人は「1000円!」と言う駐車料金が「高い!」と考え「バイク」で訪れましたが、本来「バイク」は「P3駐車場」に止めるのですが「閉鎖!」となるので、おばさんに「バイクはどうすれば?」と聞きに行くと「土日はお金集めるおっちゃんいてるけど、今日は平日でいてないから適当に止めとき!」と言うことでしたので「P3駐車場」の隅に止めて散策に出かけました。
と言うように「平日限定」ではありますが「バイク」に関しては、運が良ければ「無料」で止められる日もあるかと思います。
以上が「葛城山ロープウェイ」への「アクセス」と「駐車場」の紹介となります。
葛城山ロープウェイの料金は高い?安い?
さて、今回は「大和葛城山」の山頂に向けてのハイキングとなりますが、春の「つつじ」の開花時期となる、5月上旬~中旬に訪れた場合は、大勢の方で賑わうのでしょうが、見渡す限りほぼ人の姿はありません。
バイクを止めたところで、早速「ハイキング」を開始しますが、まずは「葛城山ロープウェイ」より、さらに奥に遊歩道を進んだ場所にある「登山口」に向かいます。
「P3駐車場」を出ると、前を横切る車道を渡り、右手側に伸びる階段を登ると「展望所」がありますが、朝一番で少しもやがかっていますが、なかなか優れた景色が広がりを魅せています。
今回は、朝一番の9時過ぎの到着となりましたが「駐車場」には、1台も車は止まっておらず、とても静かな状況となります。
車は無いのですが「バスを利用か?」それとも「駅から徒歩で訪れたのか?」は、分かりませんが、5、6人の「ハイカー」の姿はあります。
「展望所」を過ぎると、急勾配の遊歩道が長く伸びるのですが、左手側に「葛城山ロープウェイ」の乗り場があります。
今回は「葛城山ロープウェイ」を利用せずに「ハイキング」として山頂を目指すのですが「葛城山ロープウェイ」を利用すれば、約6分で「葛城山上駅」に行くことができます。
基本的に「葛城山山頂」への「アクセス」としては「葛城山ロープウェイ」を利用する方が、大半を占めると思いますが、運賃が2019年1月1日より改定され「大人の往復が1500円・片道950円」となり「小児の往復750円・片道480円」さらに「手回り品290円」と、なかなかお高い設定金額となり「駐車場代1000円」を合わせると、お財布にやさしくありません!
「駐車場代」に関しては仕方ないですが「ハイキング」として訪れる限り、この「ロープウェイ」の運賃のことを考える必要は無いのですが「もったいないから歩いて行こかな?」と言うレベルでお悩みなら、結論として迷わずお乗りください!
管理人は「ハイキング初心者」ではありますが、一様それなりの数の「ハイキング」は経験しています。
もちろん今回も「ハイキング」を目的として、歩きはじめましたが、急勾配で足元の悪い登山道は、思っていた以上に過酷な道のりとなり、道中で何度も「引き返そうかな?」なんて、弱音を吐いて心が折れかけました。
「ハイキング上級者」と思われる方5~6人に追い抜かされる始末で、登りきった時には膝がプルプルと笑っていました。
それなりの覚悟のうえで「ハイキング」として山頂を目指すなら良いのですが、普段から運動不足の方やカップル、さらには小さなお子様連れのご家族や年配の老夫婦などで「観光で・・!」とお考えの場合は、少々お高く感じますが「ロープウェイ」のご利用をお勧めします。
尚、山頂の「葛城高原」までは、最短距離の「櫛羅の滝コース」で、約3.5kmほどになるかと思います。
猪用防止柵を抜けてハイキング開始です!
さて「葛城山ロープウェイ」を左手側に見ながら、軽い登り勾配の遊歩道を50メートルほど歩き進めて行くと「猪用防止柵」が設置された登山道の出入口が見えてきます。
「猪用防止柵」には「ストッパー」が付いているだけで、鍵は掛かっていませんので、ご自身で自由に開けて中に入ったら、必ず閉めてから「ハイキング」を開始する形となります。
歩きだすと同時に、景色は奥深い山奥のような登山道へと変わりますが、軽い登りの比較的歩きやすい道のりとなります。
程なくすると右手側に石碑があり、さらに数十メートル歩き進めると分岐点があり、右手側は「北尾根コース」となり、かなり急勾配の遊歩道になりますが、階段のようで階段でない不規則でトリッキングな登山道となっています。
一方で直進する登山道は「櫛羅(くじら)の滝コース」となり、ほぼ「葛城山ロープウェイ」に並走する形で歩き進めて行く「ハイキングコース」となります。
今回は「櫛羅の滝コース」で、山頂へと向かいますので、まずは分岐点をそのまま道なりに歩き進めて行きます。
軽快に歩き進めていると、かなり状態の悪い景色が目の前に広がります。
見渡す限り、土砂崩れの影響で、倒木があちらこちらにあり、整備なんてとてもできそうにない状態となりますが、登山道だけはかろうじて確保できている感じですが、整備された登山道と言うより、大自然の森を歩き進めるかのように、非常に足元の悪い道のりとなり、体力勝負の険しい道のりとなります。
あちらこちらで土砂崩れが起きている形跡があり、落石などの危険性もあるかと思いますので、細心の注意を払いながら歩き進めて行きます。
そんな少し足元の悪い登山道を歩き進めていると、道中には、ここが「奈良県」であることを示す「標石」がありますが、山頂は大阪府に位置するため「大和葛城山」は、大阪府の最高峰にあたる山となっています。
櫛羅の滝は不動明王の功徳により脳病に効くと言われます!
正直なところ、歩いていても少し怖い感じの登山道ですが、歩きだして10分ほどで分岐点があり「櫛羅の滝コース」との名称となる「櫛羅の滝」へと続く分岐点があります。
「櫛羅の滝」までは、僅か数十メートルの距離となるのですが、昔「弘法大師」が、教えを広めるため各地を歩く「巡錫(じゅんしゃく)」をしていた際に、この地を巡ったと言うことですが、天竺のクジラの滝によく似ているということで「供尸羅(くじら)」と名づけたと言います。
「供尸羅」の「供尸」という文字は「供に屍と書くのはいけない!」と言うこともあって、当時の領主の「永井信濃守」が「供尸」の二字を「櫛」と改めたと言うことです。
「櫛羅の滝」には、別名が付けられており「尼ヶ滝」または「不動の滝」とも呼ばれることがあるのですが、その名の通り主爆の右隣には「不動明王像」と「白龍大神」と刻まれた「石碑」がお祀りされているのですが、一説によれば、この滝の水に打たれる者は「不動明王」の功徳によって「脳」に関する病に、よく効くといわれています。
「白龍大神」は、古代中国で天上界の皇帝である「天帝」に仕えている龍の一種で、名前のとおり全身の鱗が白い龍となりますが、ここでの「櫛羅の滝」との繋がりは分かりません!
もはや登山道ではないのでは?
見どころのひとつとなる「櫛羅の滝」を観賞したら登山道へと戻り、再び山頂に向けて歩きだすのですが、これより先は、階段が多く急勾配の登りが続きます。
「ハイキング」を進めているうちに、上記写真のように「目標位置2」と言う看板があるのですが、これは「櫛羅の滝コース」を歩き進めている時の、ご自身の位置を示すことになり「目標位置1~9」まで道中にあるのですが「御所消防署」が設置している看板となり、万が一にも火災を発見したり、ご自身に緊急事態が発生した時には「119番通報」して、その際に「目標位置」を伝えるための目印の看板となります。
同時に、山頂に向かうにあたり、残りの道のりがだいたい分かるのですが、現在地「目標位置2」となりますが、ここまでにそれなりに歩いたつもりですが「まだ2か?」と、この先の長さに気合が入ります。
程なくすると「鉄塔」が見えてきますが、唯一「葛城山ロープウェイ」の真下を通る場所で、景色を望めると同時に、小さくロープウェイの駅が見え「かなり登り進めたな~」と、実感できる瞬間です!
ここまでは、それほどの問題は無いのですが、これより先からが難所となります。
さらに急勾配の登山道へと変わるのですが、木製の階段が設置されてはいるのですが、所々土砂崩れの影響か?歯抜けになっています。
「目標位置3」を過ぎ「目標位置4」に到着するまで、急勾配の悪道を歩き進めると、またしても分岐点があるのですが、従来の登山道は「土砂崩壊」のため「通行禁止!」となり、左手側に新しく「迂回路」が伸びています。
従来の登山道は、いつから「通行禁止」となっているのか分かりませんが、現在もなお、復旧の見込みが立っていない状況と言うことですが、それ以前に、ここに来るまでのあいだにも、土砂崩れで倒木だらけですので、復旧なんてできるのかどうかも怪しいところです。
「迂回路」があることで「ハイキング」として入山できるので、これ以上土砂崩れが起こらないことを願うのですが、近年の豪雨被害や大型台風の直撃のことを考えると、この先どうなるのか?
さて、長い急勾配の階段?を登りきって、一息ついたところで再び歩きだすのですが「迂回路」は、もはや登山道とは言えない状況となります。
「迂回路」は「目標位置4」から「目標位置7」までのあいだ続くのですが、大雨など降った時には、恐らく水の流れ道となっているのではないかと思われ、土が削りとられた不規則な形状となり、次の一歩をどこに踏み出すか迷うほど酷い道となり、急勾配のためかなり滑ります。
数日のあいだ雨が降っていなかったため、乾いていると言えば乾いているのですが、大雨のあとにこの道を歩くのは、かなり危険な感じとなります。
倒木もかなりありますが、両サイドに立ち並ぶ木々も根がむき出しになり、その内に倒れる可能性のあるものばかりです。
何度も足を止め、大きく肩で息をするのですが、どこまで歩いてもなお続く「迂回路」で、何度も「引き返してロープウェイで・・!」と弱音を吐くのですが、この辺りまで来ると、引き返す訳にもいかず、一気にペースが落ちる管理人を「ハイキング上級者」と思われる方が、1人、また1人と追い抜いて行くのですが、いずれも50代~60代の年配の方で、高齢化社会の恐ろしさを身をもって感じさせられます。
「目標位置7」の看板がある前後は、平坦な足休めの道となり「ホッ!」とするのですが・・・!
櫛羅の滝コースの見どころのひとつ「婿洗いの池」
「目標位置7」まで来たら、残り3分の1と言ったところですが、既に1時間20分経っています。
距離で言うと、山頂まで行って、帰りの「葛城山上駅」まで行くと考えれば、約4kmとなり「ハイキング」としては「初心者向け」の簡単なコースとなるのですが、やはり日頃からの運動不足の方などでは、いくら「初心者向け」と言っても、過酷な道のりではないかと思います。
平坦な足休めの道はすぐに終わりを迎え、再び先の見えない階段が続き、思わず「チッ!」と舌打ちしてしまうほど、急勾配でパワーを必要とする階段です。
階段を登りきったところで、思わず足が止まり「マジか!」と、思う光景を目の当たりにするのですが、細く伸びる登山道の左手側の山の斜面が、まさに土砂崩れを起こしており、細い登山道を挟んで、右手側に立ち並んでいるはずの木々が、ごっそりとなだれ落ちています。
左手側の山の斜面は、今にも再び土砂崩れを起こしそうな感じとなり、渡っている最中に崩れれば、命がありません!
少しドキドキしながら、一気に渡りきりますが、道幅は狭く、右手側に落ちたら、病院送り間違いない傾斜角です。
その後「目標位置8」を越えるのも、奥行き幅の広い階段となるのですが、さすがにここまで登りが続くと、太ももから膝に掛けてプルプルと小刻みに震え、いわゆる膝が笑うと言う状態になります。
ラストスパートで「目標位置9」に来ると、落ち葉で埋め尽くされた登山道となり、登山道の中央に、一丁(109.09メートル)ごとに路傍に立てて、道のりを示す石「町石」があります。
「町石」を越えると「橋」が左手側に伸びており「葛城高原ロッジ」や「つつじ園」などに向かうには「橋」を渡り、歩き進めれば少し近道なのですが、今回は、まずは「葛城山上駅」の方向に向かいますので「橋」を渡らず直進します。
「橋」を越えると左手側に「水源地」があり、小さな小屋の中でモーターが絶え間なく動いているのですが、その状況は見ることができません!
「水源地」を越えると、右手側に階段が伸びており、これを登りきれば「葛城山上駅」はすぐ目の前となるのですが、まずは、直進し、見どころのひとつとなる「婿洗いの池」に立ち寄ります。
20メートルほど進む突き当りとなる場所に「婿洗いの池」はあるのですが、その昔、葛城山麓の村人は、ここから流れ出る自然水で、農業を営んでいたと言うのですが、全農地に水を供給するにはあまりにも少なく、そのために争いが絶えることがなかったと言います。
村人は、この池に祀られた「水波能売神竜神」を怒らせ、雨をふらせるため「祠(ほこら)」を叩き壊して、池へ投げ込みました。
その時どういう訳か、新しく村へ縁組してきた一人の婿養子を、竜神の祠と共に池へ投げこみ、荒縄でごしごし洗い、半死半生のめにあわせたと言います。
これは江戸時代の出来事で、そんなことがあってからこの池を「婿洗いの池」と呼ぶようになったのですが、そんなエピソードが書かれた看板を読んで、正直なんとも言えない無茶苦茶な話に、とりあえず池を覗き込むのですが、これまた何とも言えない気味の悪い色の池に、少し怖くなり足早に立ち去ります。
なんだか怖い感じの池ですが、見どころのひとつですので、是非お立ち寄りください!
大阪府の最高峰にある二等三角点
さて、ここまで来れば「葛城山山頂」までは、すぐ目の前になるのですが、上記で紹介した「町石」の近くの「橋」を渡って向かうも良し、ここ「婿洗いの池」の、少し手前の左手側にある登山道で向かうも良しですが、ここでは「水源池」の右手側に長く伸びる階段を登って「葛城高原」にある山頂に向かいます。
ここまで来て、もう少しと言うところですが、またしても先の見えない急勾配の階段が容赦なく続きますが、最後の難関となるので、めげずに登り始めます。
階段を登りきると、左右にコンクリートの綺麗な遊歩道が伸びているのですが、すぐ右手側に「葛城天神社」があり、その先200メートルほどの位置に「葛城山上駅」があり、景色を一望できる「展望台」があります。
「葛城山上駅」から「葛城山山頂」まで一直線に向かっても、約700メートルほどあるのですが、付近一帯は「葛城高原」となり、見どころとなるポイントがそれなりにあり、ここで続けて紹介していくと、かなり長い話になるので「葛城高原」の見どころに関しては、改めて紹介することにし、左手側に約500メートル歩き進めたところにある「山頂」に向かう、最後の階段を登り「葛城山山頂」に到着となります。
広々とした「葛城山山頂」の右手側すなわち北にあたる一角に「二等三角点」と「葛城山山頂」を象徴する「モニュメント」さらに、東の方角に広がりを魅せる「大和路の展望図」が刻まれた展望スペースがあります。
「葛城山山頂」の「モニュメント」は、特徴的な形となるのですが、長さの異なる丸太を横並びに配置し、まるで山の斜面に見立てているかのような作りなのですが、ここまで必死に歩いてきただけに、目の前に立つと達成感で胸がいっぱいになります。
そんな「モニュメント」の横に「二等三角点」が設置されているのですが「葛城山山頂」は、非常に展望に優れた場所になるのですが「三角点」は、一般的に眺望の利く場所に設置され、三角測量に用いる際に「経度・緯度・標高」の基準になる点のことです。
ちょっと怖い話ですが「三角点」の「柱石」の破壊などで、機能を損ねる行為をした人は、測量法の規定により「2年以下の懲役又は100万円以下の罰金!」に処せられると言う、かなり厳しい罰が待っているので、くれぐれもふざけて蹴ったり乗ったりしないように・・・!
とは言っても「大和葛城山」の「二等三角点」は、ほぼ地面に埋め込まれ、数センチしか出ていませんので、破壊すること自体が難しいですけどね!
と、言ったところで「大和路の展望図」が刻まれた展望スペースより景色を望むのですが、正面にあたる東方面には「大和平野」を中心に「三輪山」さらに遠く「大台ヶ原・大峰の山々」が望めるのですが、西方面に振り返れば「大阪平野」をはじめ「六甲山系」や「北摂の山々」さらには、大阪湾や遠く淡路島を望むことができ、南には「金剛山」や「奥吉野」北には「生駒山系」など、360度の大パノラマの景色を望むことができます。
先ほども少し話しましたが、南側には、標高1125メートルを誇る「金剛山」があるのですが、山頂は「奈良県」に位置するため、大阪府の最高峰とはならないのですが、大阪府の「最高地点」に関しては「金剛山」の1056メートル地点となります。
さて、この「葛城山山頂」に設置されている「二等三角点」は、大阪府に位置するため「葛城山」は、大阪府の最高峰となるのですが「二等三角点」より東に2~3歩移動すると「奈良県」になります。
また「モニュメント」があるポイントは「大阪府側」で「大和路の展望図」が設置されているポイントは「奈良県側」と、なんともややこしい感じになりますが、東方面の景色となる「大和路の展望図」のみが刻まれていると言うのも「奈良県側」の位置にあるからではないかと考えるのですが、真相の程はハッキリと分からず、管理人の見解となりますので・・・「?」です。
そんな微妙な「葛城山山頂」は「葛城高原」となるのですが、秋に向かう10月上旬から11月の上旬にかけての、約1か月間ほどのあいだは「ススキの群生地」となり「大阪府屈指?奈良県屈指?」のススキの名所となり、高原一面にススキの穂が波打つ壮観な景色は、まさに絶景となります。
今回は「葛城山山頂」の「二等三角点」を目指すハイキングの紹介でしたので「葛城高原」に群生する「ススキ」に関する紹介は別にしていますので、詳しく知りたい方はそちらをご覧下さい!
葛城高原のススキに関する記事はコチラをご覧下さい!
葛城高原~山頂に広がるススキの大草原【アクセス・駐車場】
今回紹介するのは、奈良県御所市櫛羅に位置し、大阪府の最高峰となる「大和葛城山」の山頂の「葛城高原」に広がりを魅せる「ススキの大草原」です。 奈良県の御所市と、大阪府の南河内郡千早赤阪村との府県境に位置する「大和葛城山」は「金剛生駒紀泉国定公園」の一角に位置し、大阪府を代表する名山のひとつとなります。 ...
以上が「櫛羅の滝コース」で目指す「大和葛城山山頂」へのハイキングの紹介となります。
尚、今回紹介した「櫛羅の滝コース」の「ハイキング」は、決して難しいコースでは無いのですが、登り一辺倒の体力勝負の「ハイキングコース」で、登山道の状態は、口で言う以上に悪い状態となります。
少しずつでも整備されていくのかどうかは分かりませんが、雨の降りそうな天候の悪い日や、大雨の降った後に訪れる場合は、細心の注意を払ったうえでの「ハイキング」をお楽しみください!
大和葛城山・葛城山ロープーウェイのアクセス及び駐車場情報!
【基本情報】
*基本情報は、できる限り新しい情報を掲載することを心掛けていますが、すべての変化に対応できないのが現状となりますのでご了承ください。
「大和葛城山」葛城山ロープーウェイ
- 住所:〒639-2312奈良県御所市櫛羅2503-1
- 電話:0745-62-4341(葛城山ロープウェイ)
- 時間:(始発)朝9時10分~(最終)夕方17時00分
尚、大和葛城山の散策は自由ですが登山道に夜間照明はありませんが山頂には一部あります。 - 定休日:無休ですが定期点検のため運休する場合があります。
- 入山料:無料
- 運賃:大人(往復1500円・片道950円)・小児(往復750円・片道480円)・手回り品(290円)
*乗車時間は約6分で運転間隔は15分から50分です。 - 駐車場:無し(周辺にある「有料駐車場」を利用)
- アクセス【公共交通機関】「JR和歌山線」の「御所駅」もしくは「近鉄御所線」の「御所駅」から徒歩もしくはタクシー3.3km(約45分)
「JR和歌山線」の「御所駅」もしくは「近鉄御所線」の「御所駅」から「駅前バスターミナル」に移動し「奈良交通バス(80・88系統)近鉄御所駅~葛城ロープウェイ前」に乗車(約15分)して終点となる「葛城ロープウェイ前」のバス停留所で下車してすぐ
【お車】「大阪方面」からは「南阪奈道路」の「葛城IC」を降りたら1つ目の信号となる「太田南」の交差点を右折して「県道30号線」に入りしばらく走り進めた先にある「櫛羅」の交差点を右折して「県道203号線」に入ったらあとは道なりに走り進めた突き当りの手前に「有料駐車場」があります5.9km(約12分)
「西名阪自動車道」の「柏原IC」を降りてすぐにある「柏原IC前」の信号を左折して「国道165号線」に入り「大和高田バイパス」さらには「県道30号線」を経由しながらしばらく走り進めて行った先にある「櫛羅」の交差点を右折して「県道203号線」に入ったらあとは道なりに走り進めた突き当りの手前に「有料駐車場」があります15.1km(約25分)
「伊賀・亀山方面」からは「名阪国道」から「西名阪自動車道」を経由し「郡山下ツ道JCT」から「京奈和自動車(無料区間)」に入り「御所南」を降りてすぐの突き当りの信号を右折して「国道309号線」に入りしばらく走り進めた先の「名柄」の交差点を右折して「県道30号線」に入り少し走り進めた先にある「櫛羅」の交差点を左折して「県道203号線」に入ったらあとは道なりに走り進めた突き当りの手前に「有料駐車場」がありますが「郡山下ツ道JCT」からは27.3km(約30分)
最後までお付き合いいただき本当にありがとうございます。
「大和葛城山」の「櫛羅の滝コース」にて目指す「大和葛城山山頂」への「ハイキング」は「ハイキング初心者向け」の約3.5kmほどの道のりとなるのですが、登り一辺倒の「健脚者向け」のハイキングコースとなります。
道中は足元の悪さが気になり、体力勝負の道のりとなりますが「葛城山山頂」に到着した時に、望むことができる景色を目の前にすると、達成感で胸がいっぱいになります。
「葛城山ロープウェイ」を利用して「山頂」を目指すのも良いかと思いますが、体力勝負の「ハイキングコース」をお探しの方には、程よいハイキングが楽しめるかと思います。
是非一度「大和葛城山」の「櫛羅の滝コース」で、山頂を目指してみてください!
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