今回紹介するのは、平成25年6月に「世界文化遺産」に登録された「富士山」の構成資産のひとつとして選ばれている「忍野八海(おしのはっかい)」です。
「忍野八海」は、富士信仰の古跡霊場をはじめ、富士道者の禊ぎの場の歴史や伝説をもち「富士山」を背景にした優れた水景となり「世界文化遺産」となった「富士山」の「構成資産」の一部として認定されています。
山梨県忍野村にある「忍野八海」は「富士山」の雪解け水が水源となり、地下の溶岩の間で約20年もの歳月をかけて「ろ過」された「湧水(ゆうすい)」となって、8か所の「湧水池(ゆうすいいけ)」を作っています。
「忍野八海」は「富士山」の伏流水となるため「神の泉」と呼ばれ、非常に綺麗に澄みきっています。
水底がはっきりと見えるほどに澄みきった池は、覗き込むほどに厳(おごそ)かで、神秘的な雰囲気さえ感じさせます。
国の天然記念物に指定されているほか、澄みきった水は「名水百選」に選ばれ、さらには県の「新富嶽百景」にも選定されています。
そんな「忍野八海」と称される、8か所ある池を中心に紹介していきたいと思います。
準備が整いましたら「忍野八海」の、散策スタートです!
忍野八海【アクセス・駐車場】神秘的な泉は伝説の宝庫
今回「忍野八海」へは、お昼を過ぎてからの訪問となるため、駐車場に空きがあるのか、少し心配しながらの到着となります。
さすがは「富士山」の構成資産の一部となる「忍野八海」だけに、幾つかある駐車場は、ほぼ満車状態です。
「忍野八海」は、山梨県の観光名所としては、超メジャーなスポットとなります。
そのため「忍野八海」の周辺には、駐車場が10か所ほど用意されていることで、それほど長い待ち時間にはなりません。
駐車料金に関しては、駐車場ごとに多少の違いはありますが、普通車で1時間300円ぐらいが基本となります。
今回管理人が止めた駐車場は「買い物をすれば無料!」となる「忍野八海大林駐車場」です。
車を駐車して歩き出すのですが、本日は天気が非常によく、湿度も低いため「富士山」の姿をはっきりと目視することができます。
こんなに存在感のある「富士山」なのですが、いつでも見れるわけではありません!
富士山についての記事は後ほどコチラをご覧下さい!
富士五湖~ドライブで富士山と紅葉を満喫【アクセス】
突然ですが、あなたは「富士山」を、どこから眺めるのが好きですか? あなたは、どの季節の「富士山」が好きですか? そう聞かれたとき、あなたならどう答えますか? テレビ番組などで「静岡県側」からと「山梨県側」の「どちらから見える富士山が綺麗なのか?」などの、対決する企画番組がありますが、答えなんて出るわ ...
それでは早速「忍野八海」の中に入ることにします。
「忍野八海」とは「出口池」をはじめとして「お釜池・底抜池・銚子池・湧池・濁池・鏡池・菖蒲池」の8か所の「湧水池」の泉からなります。
8か所の「湧水池」は、比較的に近い位置に点在しているのですが「出口池」だけは、少し離れた場所になります。
ここで「忍野八海」を紹介していく順番なのですが、1843年に「忍野八海」において、8つの小さな「湧水池」を巡って、祈願や心身の鍛練のため、水を浴びて身を清める水行を行う「富士山根元八湖(ふじさんねもとはっこ)」と、呼ばれる巡礼が行われるようになりました。
それに伴い「富士講信者(ふじこうしんじゃ)」によって「出口池」を、1番霊場とし「菖蒲池」を、8番霊場と定めての巡礼路が整備されたと言うことです。
と、言うことで、1番霊場となる「出口池」から順に、紹介を進めていくことにします。
忍野八海最大の霊水の池「出口池」
まず初めに、1番霊場となる「出口池」です。
先程も少し言いましたが「出口池」だけは、少し離れた場所にあるのですが「忍野八海」がある「忍草地域の出口」に位置することから名付けられています。
「忍野八海」のなかでは、最大の霊水の池となります。
少し離れていることもあり、観光客の姿は非常に少ないのですが、最も自然的な姿を見ることができます。
対岸の高台には、木々に包み込まれるように「出口稲荷神社」が鎮座しています。
世の中の穢(けが)れを払い落とす「清浄な霊水」として「富士登山」を行う行者は、昔から「出口池」の霊水で、穢れを払い落としてから登山すると言います。
さらに「出口池」の霊水を持っていくことで「無事に富士登拝を果たせる!」とされています。
悲しい伝説が残るお釜池の別名は大蟇(おおがま)池
続いて、2番霊場となるのは「お釜池」です。
「お釜池」は「忍野八海」の中では、最も狭い池となります。
「お釜池」の面積は、わずか24平方メートルと、とても小さいのですが、深さは4メートルあります。
初夏から初秋にかけては、梅の花のような白い花を水中につける「バイカモ」が、揺れ動く景色を見ることができます。
それと4メートルと言う水深なのですが、透き通るような青さを観賞することができます。
その昔、池のほとりに年老いた父と、美しい2人の姉妹が暮らしていたのですが、妹がこの池で洗濯をしていると、池の中から大きなガマガエルが現れ、その妹を水中に引きずり込んだと言います。
年老いた父と姉は、村人を集めて必死になって妹の姿を探しましたが、いくら探しても妹の姿は無く、遺体すらも見つけられませんでした。
以来、年老いた父と姉は「お釜池」のほとりにとどまって、妹の冥福を祈りながら過ごしたと言う悲しい話が残っています。
この伝説から「お釜池」を、別名「大蟇(おおがま)池」とも呼ぶようになったと言います。
唯一の有料施設「はんのき資料館」にある池
続いては、3番霊場となる「底抜池(そこぬけいけ)」です。
「底抜池」は、楕円形の浅い池となるのですが、池底には泥が厚く蓄積していて、深さは不明となります。
また、先程の「お釜池」と、この「底抜池」は、地底で水脈が繋がっていると言われています。
昔から、洗い物などをしているときに、あやまって洗っていた道具や野菜などを「底抜池」に落とすと、渦に巻き込まれて見つけられなくなってしまうと言います。
そして、無くなった物が「お釜池」から、たびたび浮かび上がってくると言います。
村人たちの間では、この池で洗い物をすること自体が「神様の怒りを買うことになる!」と、語り継がれています。
繋がっているなら、先程の「お釜池」の妹もひょっとして・・・
この「底抜池」がある場所は「忍野八海」で、唯一「はんのき資料館」と言う有料施設の中にありますので「忍野八海」を完全制覇するには、料金を支払って入場しなければ見ることができません。
縁結びのパワースポットで花嫁の悲しい伝説が残る「銚子池」
続いては、4番霊場となる「銚子池」です。
「銚子池」は、縁結びの御利益がある池として「忍野八海」ではパワースポットになっています。
「銚子池」は、間欠的な湧水で「長柄の銚子に似ている!」と言うことが、名前の由来になっています。
その昔、結婚式で花嫁さんがおならをしてしまったのですが、その音がすごく大きかったために隠すことができず、その恥ずかしさのあまり「身投げした!」と言われる、なんとも悲しすぎる伝説が残っています。
いまだにその時に履いていた草履が、池の底に見えることがあると言います。
そんな、悲しくも少し怖い伝説が残る「銚子池」なのですが、何故か今では、縁結びのパワースポットになったと言うことです。
忍野八海の中心に位置し飲用水として利用される湧池
続いては、5番霊場となる「湧池」です。
「湧池」は「忍野八海」の中では、一番の湧水量を誇る池となります。
さらに「湧池」は「忍野八海」の中心にあり、景観も良いこともあり「忍野八海」を代表する池となります。
池の中には、55メートルの長さの洞窟があり、藻がびっしりと生えていそうです。
その昔「富士山」が噴火した時に、焼け付くような熱のため、大勢の人が苦しみました。
人々の喉の渇きや、家の火事を消すために、人々が水を求めて叫ぶ声が天地に広がったとき、天からの声で「わたしを信じなさい!そして永久に私をうやまうならば、私がみんなに水を与えよう!」と言う美しい声が聞こえたと言います。
その後まもなくして、溶岩の間から水が湧き出して池になったと言います。
その時の声の主が「木花開耶姫命(このはなさくやひめ)」であったと言われています。
管理人自身、このよう話を聞いたことがあり、それが「富士山」そのものをご神体とした、静岡県にある「富士山本宮浅間大社」の御祭神が「木花開耶姫命(このはなさくやひめ)」で「富士山本宮浅間大社」の由緒の中に「第7代孝霊天皇」のころ、富士山の噴火の際に、人々が恐れて逃げ出したことから国が荒れ果てたと言います。
後に「第11代垂仁天皇」が「木花咲耶姫」を「富士山」の麓に祭って山霊を鎮めた・・・と言うことです。
真相の程は定かではないのですが・・・
「湧池」の湧水量は豊富なので、今では周辺住民の飲用水としても利用されています。
川と隣接した景観が素晴らしい濁池
続いては、6番霊場となる「濁池」です。
「濁池」は、川と隣接していることもあり、景観が素晴らしい池となります。
「濁池」は、もともと澄んだ水であったのですが、ある日この地を訪れた、見るからにみすぼらしい行者が、この池の地主の軒先に立ち止まり、一杯の飲み水を求めました。
しかし、その家の老婆が、ただの乞食と思って無愛想に断ったと言います。
すると池は「急に濁ってしまった!」と、言う伝説が残っています。
しかし、その濁った水を器に汲み取ると、不思議なことに澄んだ水に変わったと言います。
確かにそう言われると、水が濁っている気がする所があるのですが、全体的に澄んでいて清涼感はあると思います。
善悪を見分ける霊力の宿る鏡池
続いては、7番霊場となる「鏡池」です。
「鏡池」は、池の水自体は濁っていても、風がない日には「富士山」が綺麗に水面に映ることから、この名が付けられました。
さらに「鏡池」の水は、鏡のように物を映しだし「事の善悪を見分けることができる霊力がある!」と、言う伝説もあります。
昔から、部落内でもめごとが起きたときには、事を丸く収めるために、争っている双方が「鏡池」の水を浴びて身を清め、祈願したと言われています。
菖蒲で病が治る伝説が残るパワースポット「菖蒲池」
最後は、8番霊場となる「菖蒲池(しょうぶいけ)」です。
「菖蒲池」は、沼状の池で「菖蒲(しょうぶ)」が生い茂っていることから、そう呼ばれています。
「菖蒲池」の「菖蒲」を身体に巻きつけると「病気が治った!」と言う伝説があり、現在ではパワースポットとしても知られています。
さらに「菖蒲池」は、毎月のように「湧水量が変わる!」と言う、面白い池となります。
と、言ったところで、以上の8か所の池が「忍野八海」となります。
それぞれに言い伝えや伝説が残り、それぞれに見ごたえと清涼感を楽しめる「神の泉」となります。
中池は忍野八海ではありません!
「忍野八海」を訪れた人が「必ず!」と、言っても良いほど「忍野八海」のひとつだと間違う池があります。
その池は「忍野八海」の中心に位置する場所にあり「中池」と称され、多くの観光客が一同に「中池」を覗き込むのですが、一度覗き込んだら最後、その場から離れることができなくなります。
そのため「中池」は「忍野八海」を訪れた時の、一番の見どころと言っても過言ではないことになります。
「中池」の水深は、10m以上あるのではないかと思うのですが、青く透き通った水は、まさに神秘的な光景となります。
しかし「中池」は天然ではなく、残念なことですが「人工池」になると言うことです。
先程も言いましたが、ひとたび中を覗き込むと、誰もがその場にくぎ付けとなります。
これほどまでに、心奪われるほど透き通った泉は、ほかに類を見ないほどです。
水深が10m以上もあると言うのに、濁りなき水のため、底まではっきりと見ることができます。
「中池」には、1枚の張り紙がされているのですが「お金の投げ込み厳禁!罰金千円」とまで書かれています。
数枚のお金が底にあるのが見えているので、間違えてお金を投げ込まないように・・・
そんな「中池」と同様に「はんのき資料館(有料)」の内部にも、綺麗で大きな池があるのですが、これもまた「人工池」となり「忍野八海」には含まれていません。
基本的に「忍野八海」では、餌やりは禁止されているのですが、ここ「はんのき資料館」の人口池だけは「餌やりOK!」となります。
「はんのき資料館」に入るには「入場料」が必要となるのですが、先程も言いましたが「忍野八海」を完全制覇するには「底抜池」がありますので、どうしても入らなければいけません!
と、言ったところで「忍野八海」の散策が、すべて終了となります。
ここまで紹介したすべてを回るには、所要時間として2時間~3時間ほどは、必要になるかと思われます。
お時間には、余裕をもって訪れることをお勧めしておきます。
以上が「忍野八海」の魅力の紹介となり、今回はすべて回れたので、完全攻略に成功です!
「忍野八海」の透きとおる水の如く、我が心も透きとおるようにと願い「気まぐれファミリー」は、賑わい続ける「神の泉」をあとにする・・・
忍野八海のアクセス及び駐車場情報!
【基本情報】
*基本情報は、できる限り新しい情報を掲載することを心掛けていますが、すべての変化に対応できないのが現状となりますのでご了承ください。
「忍野八海」
- 住所:〒401-0511山梨県南都留郡忍野村忍草
- 電話:0555-84-7794(忍野村役場 観光産業課)
- 時間:散策自由
*ただし「3番霊場・底抜池」は「はんのき資料館」の敷地内にあるため朝の9時00分~夕方の17時00分まで - 休園日:年中無休
- 入園料:無料
- 駐車場:無し「約10か所の周辺駐車場(有料で料金はそれぞれ違いあり)」
- アクセス:【公共交通機関】「富士急大月線」の「富士山駅」から「路線バス(内野行き)」に乗車して「忍野八海入口」の停留所で下車して100m(南方向に歩けば「8番霊場・菖蒲池」)
「富士急大月線」の「富士山駅」から「路線バス(ファナック経由平野行き)」もしくは「富士急山梨バス(ふじっ湖号)」の「富士吉田・忍野八海・山中湖周遊バス」に乗車して「忍野八海(大橋)」停留所で下車して100m(橋を渡ってすぐに「2番霊場・お釜池」)
【高速バス】「新宿駅」の西口から「中央高速バス(富士五湖方面行き)」に乗車して「忍野八海」の停留所で下車約140分して100m(橋を渡ってすぐに「2番霊場・お釜池」)
【車】「中央自動車道」の「河口湖IC」を降りてそのまま「国道139号線(富士パノラマライン)」を走り「国道138号線(旧鎌倉住環)」を経由し「忍野入口」の信号を左折して道なりに進んで行き「ローソン」のある交差点を右折して「忍野大橋」を渡って少し先の右手側が「駐車場」です7.5km(約15分)
「東富士五湖道路」の「山中湖IC」を降りて右車線を走りながら「忍野・平野方面」を進み1つ目の信号を左折して道なりに進んで行けば左手側に「駐車場」です3.7km(約6分)
「はんのき資料館」
- 住所:〒401-0511山梨県南都留郡忍野村忍草265
- 電話:0555-84-2587
- 時間:朝の9時00分~夕方の17時00分まで
- 料金:大人(中学生以上)300円・子供(小学生以下)150円・幼児(1歳以上~幼稚園児)
- 定休日:不定休
*悪天候・冠婚葬祭時など - 駐車場:無し「約10か所の周辺駐車場(有料で料金はそれぞれ違いあり)」
- アクセス:【公共交通機関】「富士急大月線」の「富士山駅」から「路線バス(内野行き)」に乗車して「忍野八海入口」の停留所で下車して100m(南方向に歩けば「8番霊場・菖蒲池」)
「富士急大月線」の「富士山駅」から「路線バス(ファナック経由平野行き)」もしくは「富士急山梨バス(ふじっ湖号)」の「富士吉田・忍野八海・山中湖周遊バス」に乗車して「忍野八海(大橋)」停留所で下車して100m(橋を渡ってすぐに「2番霊場・お釜池」)
【高速バス】「新宿駅」の西口から「中央高速バス(富士五湖方面行き)」に乗車して「忍野八海」の停留所で下車約140分して100m(橋を渡ってすぐに「2番霊場・お釜池」)
【車】「中央自動車道」の「河口湖IC」を降りてそのまま「国道139号線(富士パノラマライン)」を走り「国道138号線(旧鎌倉住環)」を経由し「忍野入口」の信号を左折して道なりに進んで行き「ローソン」のある交差点を右折して「忍野大橋」を渡って少し先の右手側が「駐車場」です7.5km(約15分)
「東富士五湖道路」の「山中湖IC」を降りて右車線を走りながら「忍野・平野方面」を進み1つ目の信号を左折して道なりに進んで行けば左手側に「駐車場」です3.7km(約6分)
最後までお付き合いいただき、本当にありがとうございます。
「忍野八海」は、大変に見どころが多く、時間を忘れて、いつまでもその場を「離れたくない!」と、思うくらいに神秘的で、心癒される場所となっています。
大変人気の高い、観光地となりますので、賑わっていて楽しい時間を過ごせることは、間違いありません。
一度訪れて、ご自身の目で、1つ1つの神秘的な景色を、ご堪能下さい。
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