今回紹介するのは、大阪府南河内郡河南町弘川に位置する「弘川寺」の境内に立つ一本桜の名桜「隅屋桜(すやざくら)」です。
「弘川寺」は天智天皇4年となる665年に役行者(えんのぎょうじゃ)の呼称で知られる「役小角(えんのおづぬ)」によって自作されたと言われる「薬師如来像」を本尊として創建されました。
大和葛城山の山麓で緑豊かな癒しの空間が広がっている「弘川寺」の境内は、1989年に大阪府が選定している自然名所となる約600か所の候補から投票にて選ばれた「大阪みどりの百選」のひとつとなります。
境内にある鐘楼堂(しょうろうどう)と護摩堂(ごまどう)の前には一本桜となるしだれ桜の名桜があり「隅屋桜(すやざくら)」と呼ばれて多くの方より親しまれています。
「隅屋桜」と呼ばれる由縁に関しては「河内名所図会」などに「すや桜」や「規桜(ぶんまわしざくら)」という名称が登場することによるもので、南朝の忠臣で弘川城主であった「隅屋与市正高」が「弘川寺」にて奮戦して「規桜の下で討死した!」と言い伝えられることが由縁となります。
元の「規桜」はすでに絶えてしまったと言いますが「すや桜」の名称に関しては今もこの地に残っています。
「隅屋桜」は非常に細い主幹の小さな桜の木となるのですが、淡いピンク色の可憐な花を咲かせる姿は見ごたえ十分となります。
また「弘川寺」の裏手にある桜山は「弘川寺歴史と文化の森」として整備されているのですが、行政や地域と連携しながら桜の植樹を中心に「里山の回復・保全の活動」などを行いつつ「弘川千年の森づくり」を行っています。
そんな「弘川寺」の境内に立つ一本桜の小さな名桜「隅屋桜」の紹介となります。
準備が整いましたら「弘川寺の隅屋桜」の散策スタートです。
弘川寺の隅屋桜【アクセス・駐車場】大阪屈指のお花見スポット
寒い冬が終わって温かみを帯びてくると桜のお花見シーズンが始まり、日本の「国花」と言っても過言ではない桜の開花の便りが各地で発表されるのですが、毎年のように自然と心が弾んできます。
桜のお花見の楽しみ方は人それぞれ異なるのですが「あっ!」と言う間に過ぎ去る満開に花ひらく桜を楽しむため、日々の疲れも忘れて多くの方々が桜観賞に出かけます。
管理人である「ヒロ兄」の桜の楽しみ方は「一本桜」を中心とした観賞スポットにお出かけしています。
お勧めの一本桜の記事は後ほどコチラをご覧下さい!
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今回紹介する一本桜は、大阪府南河内郡河南町弘川に位置する「弘川寺」の境内に立つ小さな名桜「隅屋桜」です。
桜のお花見を楽しむにあたっての毎年の悩みとなるのが「桜の見ごろ」に関してですが、お目当ての桜の木が今まさに満開と言うタイミングで訪れるのは本当に難しいと悩みます。
遠方まで出かけて「早かった!」や「遅すぎた!」はよくあることで、満開かどうかは訪れてみないと分かりません!
事前にある程度の開花状況を調べてから出かけるようにはしているのですが、残念な結果で終わることもしばしばあるのですが、それもひとつの「お楽しみ!」と考えて出かけるようにしています。
まず初めに「弘川寺」を訪れるための「アクセス」と「駐車場」に関して簡単に紹介しておきます。
弘川寺へのアクセスは良好です!
「弘川寺」へのアクセスに関しては「公共交通機関」を利用して訪れても「マイカー」を利用して訪れるにしても比較的簡単に訪れることができます。
まず初めに「マイカー」で訪れる場合ですが「最寄りの高速道路」となるのは「南阪奈道路」となるのですが、大阪府堺市の美原方面からでも奈良県の葛城方面からでも「太子IC」を降りることになります。
まずは、降りてすぐにある「太子IC前」の信号を右折して「南河内グリーンロード(北側)」に入ります。
突き当りとなる「風鼻橋東詰」の信号を右折して「国道166号線」に入ったら1つ目の信号を左折したところより再び「南河内グリーンロード(南側)」に入ります。
しばらく道なりに走り進めた先の突き当りを左折して「府道200号線(上河内富田林線)」に入ったら約950メートルほど先にある「弘川寺」の案内看板に従って左折します。
最後は150メートルほど坂道を登り進めて行くと「駐車場」に到着となります。
「太子IC」から8.8kmほどですので、約15分で行くことができます。
続いて「駐車場」に関してですが「弘川寺」には、無料で利用できる駐車場が山の斜面に沿うように3か所ほどあります。
今回紹介する「隅屋桜」の観賞に関しては、上記のアクセスで紹介した「真ん中」にあたる駐車場に止めることで、ほぼ歩く必要なく境内に入ることができます。
残る2か所のうちのひとつは、上記の駐車場に行くまでのあいだの左手側にあって「駐車場と書かれた案内看板」が目に入るので思わずハンドルを切って入ってしまいますが「隅屋桜」がある境内までは少しだけ歩く必要があります。
さらにもう1か所の駐車場は「真ん中」の駐車場より、さらに坂道を登り進めたところにあります。
3か所ある駐車場を合わせるとおおよそ60台の駐車が可能となります。
普段は特に問題なく駐車できるかと思いますが、春のお花見シーズンや秋の紅葉シーズンに関しては混み合うことが予想されます。
最後に「公共交通機関」を利用して行く場合ですが「最寄り駅」に関しては「近鉄長野線」の「富田林駅」となるのですが「弘川寺」までは約7kmほどあるので歩いて向かうのは難しいかと思います。
従って「富田林駅」より「金剛バス(河内線)」に乗車して「河内」のバス停留所で下車することになります。
「河内」のバス停留所より、まずは北に70メートルほど進むと「弘川寺」への「案内看板」があるので矢印に従って右折して、あとは150メートルほど坂道を登り進めて行くと境内入口に到着となります。
また「金剛バス(河内線)」の運行本数に関しても「平日・土曜日・日曜日・祝日」のいずれも1時間に一本ほどは走っていますので、特に問題は無いかと思います。
以上が「弘川寺」を訪れるための「アクセス」及び「駐車場」の紹介となります。
小さな一本桜の名桜「隅屋桜」
本日は3月31日となるのですが、大阪府内では桜の開花が最盛期を迎えていることで、車内より望むいつもの景色はピンク一色に染っています。
一年のうちで一番色鮮やかな街並みに、自然と心が弾んできます。
今回は、朝一番より大阪府内にて桜のお花見を行なっています。
午後一番に南河内郡河南町弘川に位置する「弘川寺」を訪れたのですが、道中では特に渋滞することも無く軽快に走り進めていたのですが、駐車場まで来ると思っていた以上に車が止まっています。
上記でも言いましたが「弘川寺」には山の斜面に沿って3か所の無料駐車場があって「真ん中」にあたる駐車場に駐車できれば、すぐ目の前より境内に入ることができます。
早速にも境内へと伸びる数段の石階段を登るのですが、境内に入ると同時に今回のお目当てとなる一本桜の名桜「隅屋桜」の姿があります。
訪れる前より「弘川寺」の「隅屋桜」は非常に小さな一本桜の名桜であることは知っていたのですが、実際に目の前にすると「これほどまでに弱々しいんだ!」と感じるほど、ちょこんと佇む小さな桜の木となります。
さて「隅屋桜」と呼ばれるしだれ桜の由来ですが「河内名所図会」に「すや桜」や「規桜(ぶんまわしざくら)」と言う名称が登場したことによるもので、南朝の忠臣で弘川城主であった「隅屋与市正高」が「弘川寺」にて奮戦して「規桜の下で討死した!」と言い伝えられることが由縁となります。
そんな「隅屋桜」の傍らには、それに伴う標石が立てられています。
元の「規桜」は早くに絶えてしまったと言いますが「隅屋与市正高卿」に関する「すや桜」の名称に関しては今もこの地に残っていて「隅屋桜」と呼ばれて多くの方より親しまれています。
「隅屋桜」は非常に主幹の細い小さな桜の木となるのですが、ピンク色の可憐な花を咲かせる姿は見ごたえ十分となります。
元の「規桜」が絶えてからいつ頃に植えられたかの情報などは一切ない「隅屋桜」ですが、南北朝時代となる1336年から1392年までの56年間は存続したと言います。
正平7年となる1352年頃に「弘川寺」より東方二十丁、今で言う約2.2kmほどのところに「弘川城」が築城されて攻防戦で奮闘するも戦いに敗れ、全軍が「弘川寺」に下りてさらに奮戦の末「規桜」のもとで自刃したと言うことから、それ以降に植えられたものと推測されます。
だからと言って、樹齢500年や600年と言うようなことはまず考えられない、非常に小さな桜の木となります。
恐らくは樹齢100年未満と言ったところでしょうが、とにかく小さな名桜ではありますが、細くてもゴツゴツした主幹はとても味わい深さを感じさせてくれます。
可憐な花びらは一重の紅しだれで、咲き始めは非常にピンク色が濃いのが特徴となります。
その細さゆえに二本の支柱に支えられるているのですが、一本は普通の支柱となります。
もう一本の支柱に関しては、支えると言うより桜の木の上まで伸びていて、その先端から幾本ものワイヤーのような物で「吊り上げられている!」と言う初めて見る形の支え方となります。
高さは5~6メートルほどで、主幹の4メートル辺りから二本に分かれたのち細かく枝分かれして伸びていきます。
ただ「しだれ桜」と言うことですが、ほぼ枝垂れている感じはありません!
数年前の投稿写真などを見るともっと長く枝垂れている姿のものもありますが、現在は少し樹勢が衰えているようにも思います。
これまでたくさんの一本桜の名桜を観賞してきた中で最小で最細の名桜であることは間違いない「隅屋桜」ですが、正直な感想として「残念!」と思う方も多くいるかと思いますが、管理人的な感想としては「可愛い!」と言うのが本音です!
実際に1時間ほどその場で「隅屋桜」の観賞をしていましたが、新たに来る方の中には「なんか可愛い!」と言う声を多く聞いたようにも思います。
樹齢を重ねることで大きく優雅に立ち尽くすのが普通の一本桜の名桜ですが、これ程までにか細くて頼りない立ち姿の「隅屋桜」でありながら力強く枝を張って満開に花びらを咲かせている姿は感動すら与えてくれます。
小さくても見ごたえは十分となりますので、か細くて小さな一本桜の名桜となる「隅屋桜」の観賞をご堪能下さい!
また、拝観料が必要となりますが「本坊庭園」にも見ごたえのある桜の木があるほか、毎年4月中旬頃ですと「本坊」のすぐ西側に樹齢約350年の「海棠(かいどう)」と言うバラ科でリンゴ属の落葉樹の古木も見ることができます。
ただ「海棠(かいどう)」の幹は腐朽のためか細くなっていて傷口にコーティング剤が塗られていますが、日本一の老樹として大阪府が指定する「天然記念物」になっています。
さらには「弘川寺」の裏手にある桜山は「弘川寺歴史と文化の森」として整備されているのですが、行政や地域と連携しながら桜の植樹を中心に「里山の回復・保全の活動」などを行いつつ「弘川千年の森づくり」を行っています。
従って3月下旬から4月の中旬にかけては、桜をこよなく愛しながらこの地で生涯を閉じた「西行法師」が詠んだ「願はくは 花の下にて 春死なん そのきさらぎの 望月のころ」その歌の通りに捧げられた千本桜をはじめとした数多くの桜のある「お花見スポット」として賑わっています。
是非一度お弁当を片手に訪れて、1日をかけてゆったりと流れる時間を大切な方とお過ごしください!
弘川寺のアクセス及び駐車場情報!
【基本情報】
*基本情報は、できる限り新しい情報を掲載することを心掛けていますが、すべての変化に対応できないのが現状となりますのでご了承ください。
「弘川寺」
- 住所:〒585-0022大阪府南河内郡河南町弘川43
- 電話:0721-93-2814
- 時間:境内自由
- 定休日:年中無休
- 観覧料:無料
- 駐車場:無料「下:約30台・中央:約10台・上:約20台」
- アクセス:【公共交通機関】「近鉄長野線」の「富田林駅」より「金剛バス(河内線)」に乗車して「河内」のバス停留所で下車して200m(約3分)
*バス停より北に70mほど進むと「弘川寺」への案内看板があるので矢印に従って右折して150mほど坂道を登り進めて行くと境内入口に到着です。
【お車】「南阪奈道路」の「太子IC」を降りてすぐにある「太子IC前」の信号を右折して「南河内グリーンロード(北側)」に入り突き当りとなる「風鼻橋東詰」の信号を右折して「国道166号線」に入り1つ目の信号を左折して再び「南河内グリーンロード(南側)」に入りしばらく道なりに走り進めた先の突き当りを左折して「府道200号線(上河内富田林線)」に入り約950m先にある「弘川寺」の案内看板があるので矢印に従って左折して150mほど坂道を登り進めて行くと「駐車場」に到着です。8.8km(約15分)
最後までお付き合い頂きまして、本当にありがとうございます。
「弘川寺」は大阪屈指の「お花見スポット」で知られるのですが、境内に立つ一本桜の名桜「隅屋桜」は、小さくか細いながらも可憐な淡いピンクの花びらを咲かせる姿は見ごたえ十分となります!
「何処か良いお花見スポットが無いかな?」とお探しのあなたは、是非一度お弁当を片手に「弘川寺」にお出かけになってみてはどうでしょうか。
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