今回紹介するのは、奈良県吉野郡天川村坪内にある一本桜の名桜「来迎院(らいごういん)」の「しだれ桜」です。
「天川村」は奈良県の中央部の南に位置し、世界遺産に登録された「紀伊山地の霊場と参詣道」の主要構成要素である修験の山「大峰山」があり「近畿の屋根」と称される連なる大峰山脈の麓(ふもと)にある村となります。
近畿南部にありながら高所であるため、冷涼な気候となることで冬季は極めて寒冷で訪れにくいのですが、夏は避暑地で秋は紅葉の名所として多くの方が訪れます。
「天川村」は、ほとんど人跡未踏(じんせきみとう)に近い深山幽谷の地で、奥深い大自然の地であったことが修行者たちの行場を開くきっかけとなります。
修験道の開祖「役小角(えんのおづの)」により「金峰山・大峯山」が開山されて以来は「天河大弁財天社」をはじめとした数多くの山岳修験道の根本道場として栄えたと言います。
「天河大弁財天社」の創建は飛鳥時代にさかのぼるのですが「水分(みくまり)」すなわち「水の分配を司る神」の信仰で古代民族信仰の発祥地とされる霊山大峯の開山が役行者によってなされ、その折に「大峯蔵王権現」に先立って勧請されて最高峰となる弥山の鎮守としてお祀りされたのが「天河大辨財天社」の創まりと言うことです。
「天河大弁財天社」の境内の奥には七堂伽藍の塔頭のひとつ「来迎院」があったのですが、現在は「天河大弁財天社」の前の道を隔てた地に移されています。
そんな「来迎院」の境内に「野生種」となる「エドヒガンザクラ」の一本桜の名桜の「しだれ桜」の古木があり、天川村では一番早くに優雅な姿で開花を迎えて村に春の到来を告げると言います。
樹齢こそ不明となるのですが、味わい深い優美な立ち姿は訪れる者を虜にし、散り際に薄い墨の色に変化することから「薄墨桜」と称せられています。
また、境内には推定樹齢700年以上と言われる「大銀杏(おおいちょう)」もあって奈良県の「天然記念物」に指定されているのですが、地元では「天河大弁財天社」を詣せた「弘法大師」のお手植と言われているのですが、実に直径2メートルを超える巨木は秋の紅葉シーズンには圧巻の姿となります。
今回は春の桜シーズンに訪れて一本桜の名桜「来迎院のしだれ桜」こと「薄墨桜」の紹介となります。
準備が整いましたら「来迎院のしだれ桜」の散策スタートです。
来迎院のしだれ桜【アクセス・駐車場】奈良県天川村の名桜
今回は奈良県吉野郡にある天川村に桜のお花見を楽しむため訪れたのですが、連なる大峰山脈の麓にある小さな集落の天川村には奈良県屈指のパワースポットと言われる「天河大弁財天社」があるのですが、今回訪れる「来迎院」は、かつては「天河大弁財天社」の境内にあった塔頭のひとつだと言うことです。
天河大弁財天社の記事についてはコチラをご覧ください!
天河大弁財天社~見どころ紹介【アクセス・駐車場・御朱印】
今回紹介するのは、奈良県吉野郡天川村にある、奈良県屈指のパワースポットとなる「天河大弁財天社」です。 「天河大弁財天社」がある「天川村」は、奈良県の中央部の南に位置し、世界遺産に登録された「紀伊山地の霊場と参詣道」の、主要構成要素である修験の山「大峰山」があり「近畿の屋根」と称される、連なる大峰山脈 ...
朝一番より天川村に入って観光を進めているのですが、黒滝方面より長~く続く「新川合トンネル」を抜けた先が天川村への入口となります。
トンネルを抜けた先には、観光案内所をはじめお食事処やおみやげ屋さんが集中している交差点があって「村一番栄えている!」と言っても過言ではないのですが、交差点ですから当然「信号機」があるのですが、この「信号機」を越えて「天川村」に一歩入ったら、その先に「信号機」は一切ありません。
「天川村」の入口の一番栄えたところにある「唯一無二の信号機」ですので、記念写真など撮られるのも面白いかと思います。
さらに、北方面に位置する「黒滝村役場前」にも同じように「黒滝村」で「唯一無二の信号機」があるのですが「天川村」から15kmほど離れますが、走り出したらノンストップで行けますので、お時間があれば立ち寄ってみてください!
と言うように、特徴的な見どころのある「天川村」ですが、まず初めに「来迎院」への「アクセス」と「駐車場」に関して簡単に紹介しておきます。
来迎院へのアクセスはマイカーがお勧めです
「来迎院」へのアクセスに関しては「マイカー」がお勧めとなりますが「公共交通機関」を利用しても行くことは可能となるのですが、基本的には「天河大弁財天社」へのアクセスと考えるほうが分かりやすいかと思います。
まず初めに「マイカー」を利用する場合ですが、一番近い「有料道路」は「西名阪自動車道」になるかと思いますが「郡山下ツ道JCT」より「京奈和自動車道(無料区間)」を走り進めて「五條北IC」を降ります。
降りたらすぐ「大和高田・御所方面」に左折し、さらに「居伝町」の交差点を右折して「国道24号線(下街道)」に入ります。
少し先にある「三在」の信号を左折して「国道370号線(伊勢街道)」を「吉野・下市方面」にしばらく走り進めて行き「天川・黒滝方面」の案内看板に従って右折して「国道309号線」に入ります。
すぐ先の「岡崎」の信号を右折したあとは約23kmほど「国道309号線」を走り進めて行き「新川合トンネル」を抜けた先にある、上記で紹介した唯一無二の信号を右折して「県道53号線」に入ります。
走り進めて行くと見えてくる「天河大弁財天社」の案内看板に従って左手側にある朱色の「弁天橋」を渡って走り進めていると、続いては「天河大弁財天社駐車場」の案内看板に従って左折した先に駐車場があります。
「西名阪自動車道」の「郡山下ツ道JCT」から63.8kmほどありますが、約1時間15分で到着できるかと思います。
駐車場に関してですが、今回訪れる「来迎院」には専用駐車場はありません。
ただ「天河大弁財天社」には無料駐車場が用意されており「来迎院」は「天河大弁財天社」の一部となりますので駐車可能となります。
もちろん「来迎院」を訪れる限りは、奈良県屈指のパワースポットと言われる「天河大弁財天社を訪れない!」と言うことは無いかと思いますので、併せてお詣りください。
駐車スペースに関しては、駐車区画のための線引きなどが無い広場となりますので、止め方にもよるかと思いますが恐らく30台~50台ほどは駐車可能だと思います。
続いては「公共交通機関」を利用する場合ですが、天川村には電車の路線がありませんので「バスの利用が必須条件!」となるのですが「最寄り駅」となるのが、約14km離れた「近鉄吉野線」の「下市口駅」となります。
「下市口駅」までのアクセスに関しては「大阪方面」からの場合は「近鉄南大阪線」の「大阪阿部野橋駅」から「近鉄吉野特急」に乗車することで約1時間4分ほどで行くことができます。
「京都方面」からの場合は「近鉄京都線」の「京都駅」から「近鉄京都線急行(橿原神宮前行)」に乗車して「橿原神宮前駅」で「近鉄吉野線」に乗り換えるのですが、こちらからは約1時間40分ほど必要になります。
「下市口駅」で下車したあとは「奈良交通バス(7系統)中庵住行き」に乗車すること約1時間で「天河神社前」の停留所に到着となるのですが、下車してからはすぐ目の前です。
それなりの時間が必要となるほか、バスの便数が「朝・昼・夕方の3便」しかなく、昼や夕方に向かうのは考えにくいので、基本的には朝の1便しかないのが問題となります。
もう1路線バスは出ているのですが、こちらも少し問題があり「奈良交通バス(2系統)洞川線」に乗車するのですが「天川川合」の停留所で下車することになり、その後「来迎院」まで3.2kmほど歩く必要があり、約40分ほどは必要になるのではないかと思います。
1日6便ほど出ていますが、こちらも午前中は2便と少ないので、やはり問題があります。
そんな問題点より「マイカー」をお勧めしていますが「公共交通機関」を利用する場合には、帰りに関する「時刻表」の確認も事前に済ませておくことを併せてお勧めします。
以上が「来迎院」を訪れるための「アクセス」と「駐車場」に関する紹介となります。
優雅に立ち尽くすしだれ桜の名桜!
寒い冬が終わって温かみを帯びてくると桜のお花見シーズンが始まり、日本の「国花」と言っても過言ではない桜の開花の便りが各地で発表されるのですが、毎年のように自然と心が弾んできます。
桜のお花見の楽しみ方は人それぞれ異なるのですが「あっ!」と言う間に過ぎ去る満開に花ひらく桜を楽しむため、日々の疲れも忘れて多くの方々が桜観賞に出かけます。
管理人である「ヒロ兄」の桜の楽しみ方は「一本桜」を中心とした観賞スポットにお出かけしています。
お勧めの一本桜の記事は後ほどコチラをご覧下さい!
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その場所にただ一本だけで凛とそびえたつ一本桜の姿からは並々ならぬ力を感じることができ、毎年のように各地へと車を走らせます。
今回紹介する一本桜の名桜は、奈良県吉野郡天川村坪内にある「来迎院のしだれ桜」となるのですが、樹齢に関しては不詳となりますが実に味わい深い古木となります。
桜のお花見を楽しむにあたっての毎年の悩みとなるのが「桜の見ごろ」に関してですが、お目当ての桜の木が今まさに満開と言うタイミングで訪れるのは本当に難しいと悩みます。
遠方まで出かけて「早かった!」や「遅すぎた!」はよくあることで、満開かどうかは訪れてみないと分かりません!
事前にある程度の開花状況を調べてから出かけるようにはしているのですが、残念な結果で終わることもしばしばあるのですが、それもひとつの「お楽しみ!」と考えて出かけるようにしています。
さて「天河大弁財天社」の駐車場に車を駐車したあと一通りお詣りを済ませたところで、正面の出入口となる「一の鳥居」より道を隔てた真向いにある「来迎院」へと歩みを進めます。
道を隔てたすぐ先より参道が延びているのですが、この時点で「来迎院」の境内にある「しだれ桜」の姿を見ることができます。
「来迎院のしだれ桜」は境内より参道に向けて、まるでトンネルを作り出すように細く長い枝が枝垂れているのですが、ピンク一色に咲き乱れるその樹姿はとても気品のある優雅な姿となります。
「来迎院のしだれ桜」は天川村で一番早く開花を迎えると言われているのですが、その見事なまでの優雅な姿で村に春の到来を告げると言います。
石階段を登って境内に入ると「来迎院のしだれ桜」の全貌を望むことができるのですが、樹齢に関しては不詳となるのですが「野生種」の「エドヒガンザクラ」の名桜となることで、桜の木の中では非常に長寿の種であることは知られています。
樹高や幹回り及び枝張りに関しての情報なども一切記されていませが、幹の4メートル付近から2本の支幹に分かれながら天高く伸びていくのですが、それぞれの支幹から大きく広がりを魅せながら枝垂れる枝が優れた樹姿を作り出しています。
ゴツゴツとした主幹は苔むしていて、より一層味わい深さを感じさせてくれます。
そんな主幹から樹齢を重ねている老木であることを垣間見ることができるのですが、主幹の根元付近の絶妙な位置で宿借りする「ソテツの木」が特徴的で、仲良く自生している珍しい形の名桜となります。
「ソテツ」と言う名前ですが、枯れかかった際に鉄のクギを打ち込むことで「蘇える!」と言う伝承に由来しているそうなのですが、何はともあれほっこりとした景観を楽しめるのも見どころのひとつとなります。
今回は「来迎院のしだれ桜」の最盛期にドンピシャのタイミングで訪れたこともあり、綺麗な薄ピンクの花びらを満開に咲かせていたのですが、散り際になると薄墨色になることから別名「薄墨桜」とも称せられています。
孤高でただ1本、優雅に立ち尽くす「来迎院のしだれ桜」の樹齢こそ不詳となるのですが、満開に咲き乱れる姿を見る限りでは今まさにこの桜の木にとっての最盛期を迎えているのではないかと感じるほどの樹勢となります。
天川村はアクセス面に関しての問題があるため「人気の桜の名所」とはならずに、桜最盛期でも多くの方が一度に押し寄せることはありません。
ただ、大変に素晴らしい一本桜の名桜であることは間違いないので「知る人ぞ知る穴場的スポット」になるのではないでしょうか。
多くの方が押し寄せないことで、静かで緑に囲まれた癒しの空間に身を置いてゆったりと流れる時間を「来迎院のしだれ桜」と共に過ごせるのではないかと思います。
是非一度、お弁当を片手に訪れて、優雅に立ち尽くす「来迎院のしだれ桜」のお花見をご堪能下さい!
推定樹齢800年の大銀杏は奈良県指定の天然記念物!
さて、今回は一本桜の名桜「来迎院のしだれ桜」の観賞に訪れたのですが、ここ「来迎院」にはもうひとつの見どころとなる古木があるのですが、どちらかと言うとこちらのほうが知られた存在となります。
それが、境内の奥に立つ推定樹齢800年の「大銀杏(おおいちょう)」の古木です。
「来迎院」の境内はこじんまりとした小さなスペースとなるため、天を突くように伸びる「大銀杏」を一枚の写真で撮り収めるのは非常に困難となります。
「大銀杏」は、昭和49年の3月26日に奈良県の指定する「天然記念物」になっているのですが「坪内のイチョウの巨樹」の名称で知られています。
直径2メートルを超える「大銀杏」は、樹高に関しては35メートルを誇るのですが、胸高周囲が6.50メートルあります。
隣に建つ「来迎院本堂」の屋根の上に覆い被さるように伸びる枝の枝張りに関しては、東西に26.5メートルで南北に30.5メートルと勢いがあり、凛とした佇まいとなります。
「来迎院」の本堂は大変小さな建物となるのですが、向かって右斜め後ろに「大銀杏」が立つ形となります。
「銀杏(いちょう)」は雌雄異株の植物となるのですが、ここ「来迎院」の「大銀杏」は雌株で奈良県内では最大級の大きさを誇っています。
この「大銀杏」は、地元では真向いにある「天河弁財天社」を詣せた「弘法大師」のお手植と伝わっているのですが、秋になって枝いっぱいに付いた葉が黄色く紅葉していく姿は圧巻のひと言に尽きると言うことです。
これ程までに樹勢の良い巨樹になったのは、寺社境内が信仰の地にあって切られることなく現在まで残ってきたためと考えられています。
そんな「大銀杏」が紅葉のシーズンの見どころとなりますので、秋に「来迎院」を訪れた際には、お見逃しの無いように・・・
以上で「来迎院のしだれ桜」の散策がすべて終了となります。
「来迎院」に立つ一本桜の名桜「しだれ桜」は、それほど知られた「桜の名所」ではないのと「天川村」と言う少し訪れにくい地にあることで、多くの方が目にすることは無いのですが、その優雅な樹姿は一見の価値があります。
多くの方が一度に訪れることが無くゆっくりと観賞できると思いますので、境内入口で優雅にお出迎えしてくれる「来迎院のしだれ桜」のお花見に是非一度お出かけください!
来迎院のアクセス及び駐車場情報!
【基本情報】
*基本情報は、できる限り新しい情報を掲載することを心掛けていますが、すべての変化に対応できないのが現状となりますのでご了承ください。
「来迎院」
- 住所:〒638-0321奈良県吉野郡天川村坪内
- 電話:0747-63-0453
- 時間:境内自由
- 定休日:年中無休
- 観覧料:無料
- 駐車場:無し(前にある天河大弁財天社の駐車場を利用)
- アクセス:【公共交通機関】「大阪方面」からの場合は「近鉄南大阪線」の「大阪阿部野橋駅」から「近鉄吉野特急」に乗車(約1時間4分)して「下市口駅」で下車したら「奈良交通バス(7系統)中庵住行き」に乗車(約1時間)したあとは「天河神社前」のバス停留所で下車してすぐ
「京都方面」からの場合は「近鉄京都線」の「京都駅」から「近鉄京都線急行(橿原神宮前行)」に乗車し(約1時間4分)終点となる「橿原神宮前駅」で「近鉄吉野線」に乗り換えて(36分)「下市口駅」で下車したら「奈良交通バス(7系統)中庵住行き」に乗車(約1時間)したあとは「天河神社前」のバス停留所で下車してすぐ
もしくは「下市口駅」から「奈良交通バス(2系統)洞川線」に乗車して「天川川合」の停留所で下車したあと徒歩3.2km(約40分)
【お車】「西名阪自動車道」の「郡山下ツ道JCT」より「京奈和自動車(無料区間)」を走り進めて「五條北IC」を降りたらすぐ「大和高田・御所方面」に左折しさらに「居伝町」の交差点を右折して「国道24号線(下街道)」に入り少し先にある「三在」の信号を左折し「国道370号線(伊勢街道)」を「吉野・下市方面」にしばらく走り進め「天川・黒滝方面」の案内看板に従い右折して「国道309号線」に入りすぐ先の「岡崎」の信号を右折したあとは23kmほど「国道309号線」を走り進め「新川合トンネル」を抜けた先にある1つ目の信号を右折し「県道53号線」に入り「天河大弁財天社」の案内看板に従い左手側にある朱色の「弁天橋」を渡り少し進んでいると「天河大弁財天社駐車場」の案内看板に従い左折して30m先に「駐車場」があります63.8km(約1時間15分)
最後までお付き合い頂きまして、本当にありがとうございます。
「来迎院」は、大変にこじんまりとした境内となりますが、春のお花見シーズンに訪れれば一本桜の名桜「しだれ桜」が優雅な樹姿でお出迎えしてくれます。
また、秋の紅葉シーズンに訪れれば「弘法大師」の御手植と言われる「大銀杏」があり、ただ一本、天を突くようにそびえ立つ姿は見ごたえ十分となります。
「天川村」と言う少し訪れにくい地となりますが、一日を通して楽しむことができるかと思います。
是非一度訪れて、優雅にたたずむ「来迎院のしだれ桜」の姿をご堪能下さい!
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