今回紹介するのは兵庫県宍粟市波賀町原にある「原不動滝」の滝めぐりと紅葉の観賞です。
原不動滝は兵庫県をはじめとして岡山県さらには鳥取県にまたがる山岳地帯の氷ノ山後山那岐山国定公園(ひょうのせんうしろやまなぎさんこくていこうえん)の一角に位置しています。
そんな氷ノ山後山那岐山国定公園には数多くの名瀑が点在しているのですが、数ある名瀑の宝庫の中でも原不動滝はそれらを代表する名瀑になっています。
氷ノ山を中心としたこの地域には4つの「日本の滝100選」に選ばれている名瀑があるのですが、原不動滝はそのうちのひとつとなります。
原不動滝は落差88mを3段に分かれて落下する男滝と、その男滝に寄り添うように最下段部の滝壺で合流する女滝の2つの滝からなります。
そんな原不動滝は秋を迎える頃には紅葉の名所として大変有名となるのですが、毎年のようにたくさんの人で賑わいます。
今回は紅葉のシーズンに訪れて、鮮やかに色付く紅葉の観賞を楽しみながらの滝めぐりとなります。
準備が整いましたら「原不動滝」の散策スタートです。
原不動滝~紅葉の名所で縁結び【アクセス・駐車場】
今回は紅葉の名所としてよく知られている原不動滝へ紅葉の観賞を楽しみながら滝めぐりをするため、マイカーに乗り込みアクセルを踏み込みます。
大阪在住の管理人となるのですが、現時点で目に映る景色には紅葉の気配をほぼ感じることができません!
そのため原不動滝に向かうにあたっては「少し早いのでは?」と言う一抹の不安を感じながら車を走らせています。
朝一番に原不動滝の駐車場に到着すると、思ってた以上に鮮やかに紅葉が色付いていることに胸をなでおろします。
駐車場でお出迎えは名も無き小さな滝
到着と同時に車から降りて原不動滝へと歩き始めるのですが、朝一番で早いせいか?それとも色付いていると言っても若干見頃として早いためか?理由は分かりませんが、紅葉の名所にも関わらず駐車場に先客者の姿がありません!
ところどころ綺麗に紅葉は色付いているのですが、全体的に見れば少し早かったようにも感じます。
駐車場には名も無き小さな滝があるのですが、あいさつ代わりのお出迎えとしてはなかなかの景観を備えた滝となります!
水量こそ少ないのですが、原不動滝を観賞に行く前の目慣らしの滝としては十分なインパクトとなります。
さて、原不動滝に用意されている駐車場は自治会が所有する土地が駐車場になっていているのですが、広々とした駐車スペースには50台ぐらいは駐車できるかと思います。
駐車料金は500円となるのですが、受付が無人の際には投入口に入れるシステムになっています。
原不動滝キャンプ場で大自然を満喫!
原不動滝に向けて歩き出すのですが、歩き始めてすぐ右手側に「原不動滝キャンプ場」があるのを確認できます。
原不動滝キャンプ場の目の前には八丈川と称される浅い川が流れているのですが、原不動滝より流れてくる清流で川遊びができるキャンプ場になっています。
原不動滝キャンプ場は大自然に囲まれた空間が大変素晴らしく、楽しい時間を過ごすことができるかと思います。
シーズン営業は4月~12月中旬で気象状況等によってはクローズになるとの事です。
1月から3月末までは定休日で以前は電話予約だったのですが、2024年2月からは「なっぷ」でのみの予約に変わったようです。
詳しく内容を知りたい方は、原不動滝観光組合(0790-75-36009にお問い合わせください。
原不動滝の出入口に鎮座する不動尊!
そんな原不動滝キャンプ場を横目に見ながら原不動滝に向けて歩き進めます。
原不動滝へと続いていく遊歩道は軽い傾斜の上り道になっているのですが、整備の行き届いた綺麗な道なのでとても歩きやすくなっています。
少し歩き進めて行くと原不動尊と書かれた小さな山門があります。
山門をくぐってすぐ左手側には、大きなお地蔵さんをはじめとした十体以上の小さなお地蔵さんが立ち並んでいます。
少し先には鉄橋が架けられていて、八丈川を対岸に渡って歩き進めて行きます。
少し歩き進めて行くと原不動滝への料金所が見えてくるのですが、その手前に原不動と言う名の通り「不動明王」が鎮座しています。
気になったことはありませんか?滝をめぐる時に不動明王と名の付くお堂や滝が必ずあるということに・・
これまでに訪れた修験霊場の御瀧場に不動明王がお祀りされていることが気になり、そのたびに「何か関係や根拠があるのでは?」と考えることがありました。
これは基本的な形となり「滝めぐり」などをする中において不動明王の名が付くものを見ないほうが少ないぐらいです。
不動明王は奴僕三昧(ぬぼくざんまい)の誓いをたてており、信仰者を主人として忠実に使えて主人となる修行者のために下僕となってその修行を助けつつ修行の邪魔をする魔から守護してくれるとされています。
そんなことから御瀧場には、必ずと言っていいほど不動明王がお祀りされていると言うことです。
原不動滝に鎮座する不動尊の由来が記されており、次のようなことが書かれています。
昔、この地に道範と道槇と言う二人の名僧がいたと言います。
道範は験門の将と言われ、道槇は怪力であったと伝えられています。
道範に関しては、常に摩尼嶽の行者窟にて荒行を重ねたことで数々の霊験を得たと言います。
ある時、金色の龍が南西方向に飛ぶのを見て追いかけたが、棲龍峡に至り水門に姿を見失いました。
それ以来、道範はこの金色の龍を本尊「倶利伽藍不動明王」として拝(はい)し奉(たてまつ)り、この不動滝でさらなる荒行を重ねました。
天保年間には、長源寺十三世宥雄上人が九州の島原にある一乗院の資(たすけ)で行者窟に護摩堂を再建し、不動滝の岩上に不動堂を建立して不動明王を歓請(かんじょう)したことから、世に不動滝と言われるようになったと言われています。
この村では、昭和の初め頃からこの滝を中心に四国八十八カ所の祠(ほこら)を造って霊地の願拝を続けていると言います。
原不動滝は紅葉の名所で大人気!
そんな不動尊の前に原不動滝への出入口となる料金所があります。
原不動滝への入山には協力金としての入園料が必要となるのですが、4歳以上で小学生までは100円で中学生以上の方は200円が必要となります。
綺麗に整備が行き届いていることに加えて、その他の維持費などを考えると良心的な入園料ではないでしょうか。
ここまで来るあいだに紅葉の気配は薄かったのですが、この辺りの紅葉は非常に色付きが良くフォトスポットとしても最高の景観となります。
当然「日本の滝100選」に選ばれている原不動滝を眺めるために訪れる方のほうが多いはと思いますが、原不動滝があるこの地は紅葉の名所としても大変人気があります。
駐車場から料金所までは約5分ぐらいでこれより先にある原不動滝までも約5分~10分ぐらいですので、小さなお子様連れの方でも簡単に原不動滝まで行くことができます。
原不動滝の見どころの吊り橋「かえで橋」
出入口を入ってすぐ左手側に階段があり、原不動滝へと続く遊歩道が延びています。
階段を登りきったところには、見どころのひとつとなる「かえで橋」があります。
かえで橋は鉄製の強固な吊り橋で高さも無いため、スリルを味わうには少し物足りなく感じます。
原不動滝の周囲はほとんど人手が加えられていない大自然のままの姿が残る原生林になっており、モミの広葉樹をはじめブナやモミジなどの落葉樹が多くあることで秋には紅葉の名所となります。
かえで橋との名前が付けられていること自体が名所であると言うことになります。
周囲は波賀不動滝公園として整備されているのですが、原不動滝森林公園の名称で「ひょうごの森100選」に選ばれています。
かえで橋を渡りきってからは緩やかにアップダウンを繰り返しながら歩き進めて行くのですが、程なくすると分岐点があります。
そのまま石階段を登り進めれば滝見台へと向かい、下に進むと「奥かえで橋」と称される滝見台へと向かうことになります。
最終的にはどちらにも行くのですが、先にどちらから原不動滝を見るかの選択が必要となります。
少しでも高い位置から見るのが綺麗なのではと言う考えから登り進めるのは後まわしにして、まずは下に進んで「奥かえで橋」にある滝見台から原不動滝を観賞してみます。
奥かえで橋と称される滝見台!
最初に駐車場に到着した際には紅葉の見頃としては少し早いと思っていたのですが、奥かえで橋の辺りまで来ると最盛期を過ぎた8割ほどの紅葉が落葉しています。
とても寂しい景色になっていることで、紅葉の観賞としては非常に残念な眺めとなります。
奥かえで橋は先ほど架かっていたかえで橋と同様に強固な鉄橋の吊り橋になっているのですが、この奥かえで橋が原不動滝を眺めるための滝見台となります。
奥かえで橋の突き当たりとなる場所には、祈願成就のための賽銭箱が設置されています。
原不動滝は「癒しと縁結びのパワースポット!」になっており、恋愛成就を祈願できることから「出会いを呼び込む・幸せの滝」などと呼ばれています。
また「夫婦円満・幸福の滝!」としても広く知られていることから、多くの方が原不動滝に向かって祈願します。
なぜ原不動滝に向かって祈願するのかと言うと、揖保川の支流で標高1129mの竹呂山を源流とする引原川支流の八丈川流域にある原不動滝は「男滝」と「女滝」と呼ばれる2つの滝より構成されています。
主瀑となる男滝は落差88mを誇りつつ3段に分かれて落下する県下最大の滝となるのですが、その男滝の最下段部にあたる滝壺付近で源流の異なる女滝が寄り添うように同じ滝壺に流れ込んでいきます。
その姿から「夫婦円満・幸福の滝!」や恋愛成就として「出会いを呼び込む・幸せの滝!」などと呼ばれ、今では縁結びのパワースポットとして祈願する方が多く訪れると言うことです。
実は、ここ奥かえで橋から眺める原不動滝の姿は、大き過ぎるが故に全貌を見ることができません!
従って、もっと高い位置から見下ろす形が理想となりますので、先ほどの分岐点より登り進めた場所にある滝見台に向かうことにします。
1つ目の滝見台となる奥かえで橋まではアップダウンがないことで簡単に行くことができましたが、分岐点より登り進める道は急勾配の階段が続きます。
滝見台まで途切れることのない心臓破りの階段となりますが、5分もすれば滝見台に到着となります。
最上段にある滝見台は大変狭い展望スペースとなるのですが、登ってきた際に先客者がいると順番待ちとなります。
滝見台より眺める原不動滝は、こんな感じです!
3段からなる男滝の全貌が見えるようになったのは良いのですが、目の前に生い茂る木々や葉っぱが邪魔になって優れた眺めとはいきません!
個人的には、奥かえで橋から観賞する原不動滝のほうが綺麗なのではないかと思います。
一望できるほどの景色ではないのですが、訪れた限りは両方の滝見台から眺めるのがベストだと思います。
全国にある名瀑と呼ばれる滝を観賞しようと思えば険しい山奥でアップダウンを繰り返す登山道を歩き進めることで、苦労の末に到達できると言うスポットもたくさんあります。
そんな中で原不動滝は、整備が行き届いた遊歩道を歩き進めるだけで簡単に名瀑を観賞できる点では優れたスポットではないかと思います。
原不動滝は落差88mの高さから激しく流れ落ちる素晴らしい名瀑となりますので、是非一度訪れて、ご自身の目で大自然がつくりだす圧倒的な姿をご堪能下さい。
と、言ったところで、原不動滝の滝めぐりにて眺める紅葉の散策がすべて終了となります。
今回は11月のはじめに訪れましたが、原不動滝は山中で気温が低いこともあってか早くに紅葉が色付くのかと思います。
従って10月の末頃が見頃になるのでは無いかと思います。
その年の気温によって多少の前後はあるかと思いますので、訪れる際はお電話にてご確認頂くのが良いかと思います。
原不動の滝のアクセス及び駐車場情報!
【基本情報】
*基本情報はできる限り新しい情報を掲載することを心掛けていますが、すべての変化に対応できないのが現状となりますのでご了承ください。
「原不動の滝」
- 住所:〒671-4213兵庫県宍粟市波賀町原625
- 電話:0790-75-3600(原不動滝観光組合)
- 入園料:大人(中学生以上)200円、小人(4歳以上から小学生)100円
- 休園日:無休(冬季不定休)
- 時間:朝8時30分~夕方17時00分まで
- 駐車場:有料(約50台)
- アクセス:【公共交通機関】「JR山陽新幹線」の「姫路駅」から「神姫バス(山崎行き)」に乗車して終着駅の「山崎」の停留所で下車(約1時間)したら続けて「神姫バス(原生き)」に乗り換えて「原」の停留所で下車(40分)してからは徒歩で1.3km(約15分)
【お車】「中国自動車道」の「山崎IC」を降りて「国道29号線(因幡街道)」を「鳥取方面」へ北上し「安積橋」の信号を左折し「国道29号線(若桜街道)」を走り進め右手側にある「道の駅はが」を越えたら500m先の「道路標識」に従い左折して1.3kmほど走り進めた先の左手側が「原不動滝駐車場」です30km(約40分)
「播但連絡有料道路」の「朝来IC」を降りてすぐある「朝来インターチェンジ前」の交差点を左折し「国道429号線」を西に約19km走り進めた先にある信号を右折して「国道29号線(若桜街道)」に入り「道の駅はが」を越えたら500m先の「道路標識」に従って折して1.3kmほど走り進めた先の左手側が「原不動滝駐車場」です43.2km(約1時間)
最後までお付き合い頂きまして、本当にありがとうございます。
原不動滝は癒しと縁結びのパワースポットになっており、恋愛成就や出会いを呼び込む幸せの滝となります。
紅葉の名所としても大変人気があり、原不動滝と紅葉のコラボレーショした姿はまさに絶景となります。
是非一度訪れて、ご自身の目でご堪能下さい!
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