今回紹介するのは京都府京都市東山区本町に位置し、京都府の中でも指折りの紅葉の名所として知られる「東福寺」の紅葉です。
東福寺は数多くある京都府の寺院の中においても紅葉の名所としては特に有名で、毎年のように全国から数多くの方々が境内一面に燃え盛る炎の如く色付きを魅せる紅葉を一目見ようと訪れます。
但し、東福寺の見ごろを迎えた紅葉を観賞するのは来場者の数があまりにも多いため、ゆっくりと眺めることができないというのが現状となります。
東福寺の紅葉シーズンとなる約一ヶ月間のあいだには、実に40万人の観光客が訪れるとほど大人気のスポットになっています。
人気が高い理由としては、観賞ポイントの通天橋から眺められる眼下いっぱいに広がりを魅せる2000本にも及ぶ紅葉の景色が類を見ないほどの美しさを誇るためです。
通天橋の観賞スペースは非常に狭く、人の入れ替わりが困難で思うように中央の先端にある観賞ポイントへと辿り着くことができません。
あまりにも来場者が多い日などは、拝観終了の時刻の前にも関わらず受付が終了することもあるほどの混雑ぶりです。
遠方から観賞にお出かけになるのでしたら、最低限の対策が必要となります。
そんな対策も含めて東福寺の紅葉を紹介していきたいと思います。
準備が整いましたら「東福寺」の散策スタートです。
東福寺~京都随一の紅葉【アクセス・駐車場・御朱印】
京都府の中ではもちろんのこと、全国的にみても非常に人気の高い東福寺の紅葉だけに、どのような対策を取れば通天橋からゆっくりと紅葉の観賞ができるのか?
色々考えてみたのですが「基本的な答えはない!」と言うのが現状です。
しかし、ちょっとした隙なら必ずあるはずです。
今回はそんな隙を探るべく、満を持して東福寺の紅葉の観賞に出かけてみました。
東福寺の紅葉観賞は平日か朝一番!?
それほどの広さの無い観賞スポットの通天橋に、一ヶ月の来場者が40万人となると隙などほぼ無いに等しいです。
しかし、少しでもゆっくりと観賞したいなら、基本的な対策ではあるのですが全く無い訳ではありません!
まず1つ目が「土曜日・日曜日・祝日」を避け「平日」に訪れる!
2つ目が「朝一番!」に訪れる!
3つ目が「雨の日!」を見計らって行く!
最後は賭けにはなるのですが「見頃となる時期!」の少し前後に訪れる!
以上の4点が混雑を避ける対策になるのですが、一ヶ月で40万人以上の方が訪れるとなればどれをとってもゆっくりとまではいきそうにもありません。
しかし、混乱状態だけは少なくとも避けられると思われます。
例年行われる特別拝観は11月の頭から12月上旬頃まで開催されますが、この期間の11月の中旬~下旬までが最盛期であると思われます。
今回は12月の上旬で紅葉の見頃も過ぎた頃を見計らって出かけたのですが、念には念を入れてゆっくりと観賞できる可能性の高い朝一番で訪れました。
特別拝観期間中は駐車場は利用できません
東福寺を訪れるにあたって気を付けなければいけないのは、特別拝観が行われている期間中は普段利用できる無料駐車場が利用できなくなると言うことです。
周辺にあるコインパーキングなども数に限りがあるので、来場者数から考えても時間を誤ると全て満車になるのは必至です。
そんな点から考えると、ハイシーズンに訪れる際には公共交通機関を利用することをお勧めしておきます。
管理人は早めの出発で、朝一番となる7時30分頃には東福寺の周辺に到着となりました。
紅葉最盛期を少し過ぎているにもかかわらず、東福寺に近いコインパーキングはこの時間帯でも満車になってところもありましたが、かろうじて空きはあります。
東福寺から少し離れたコインパーキングになりましたが、車を止めあと少し休憩したところで東福寺に向けて歩き出します。
東福寺に到着したのですが、すでにたくさんの方々が並ぶ列が伸びています。
混乱を避けるための手段として見ごろの時期を少し外して朝一番に訪れたつもりでしたが、予想に反して訪れる方が多いことから単純な考えの中での予測であったと少し反省しています。
どうせ混雑するのでしたら、最高の見頃を迎えた時に訪れたほうが良かったのでは・・・
1番人気の観賞ポイントは通天橋
長く伸びる長蛇の列は朝一番にも関わらず、少なくとも100人以上はいます。
「まだマシなほうだ!」と、自分に言い聞かせて順番を待つことにします。
定刻になると同時に次々となだれ込むように境内に入って行く人を見ていると、つい気持ちが焦ります。
待ちに待った順番が回ってくると、通天橋に入るための参拝料を納めると同時に駆け足で通天橋に向けて走り出します。
眼下に広がりを魅せる紅葉を眺めるため、1番人気のスポットとなる通天橋に到着です!
朝一番ですが、すでに通天橋は多くの方でごった返していて通天橋の先端部分のポジション取りの争いになっています。
遠慮していてはいつまでも通天橋の先端部には行けそうにないので、管理人夫妻もポジション取りに参戦します!
まさに地獄絵図のような状態が・・・!
弱肉強食の世界・・・!そんな中においておばさんと言う存在の厚かましさの右に出る者はいません!
少しでも油断して前に隙間を開けると、同時に体をねじ込まれます。
もう少しで通天橋の先端部まで行けそうと思いきや、おばさん達がねじ込むように前に入り込んでくるので逆にどんどんと通天橋の先端部から離されていきます!
こんな状況の中で我が姫君が心配になり、周りを見渡すと・・・!
夢か?それとも幻か?我が姫君が・・・おばさん?
僅かな隙間に体をねじ込ませるように通天橋の中心にある観賞ポイントに少しずつ移動しているではないか・・・
紅葉を観賞する前に目を疑う光景を観賞することに・・・
「早く!早く!写真撮って!」と言う声に、我に戻った管理人は最大限のズームを使って写真を撮ります。
通天橋の先頭の絶好ポイントを押さえる顔ぶれは全ておばさんが支配する中で、あろうことか中心に我が姫君が混ざっている・・・
あ~なんという絶景?・・・神よ!
境内の紅葉は若干見頃は越えているものの、眼下に広がる紅葉はまさに燃え盛る神炎のように真っ赤に色付いています。
境内に立つ2000本にも及ぶカエデが咲き誇る姿は、まさに絶景としか言いようがありません!
東福寺のカエデは宋国原産の「三葉楓」となり、葉先が三つに分かれていて黄金色に色付くのが特徴だと言われています。
珍しさ故に「秋のすゑ」や「洛陽の奇観」と言われ、大変有名になっています。
京都で楽しめる紅葉の中でも東福寺の紅葉は色付く時期が少し遅いこともあり、通天橋から眺められる紅葉は「秋の京都において最後の紅葉!」として秋の名残りを惜しむ人々に親しまれています。
見どころのひとつ「紅葉のじゅうたん」
思う存分に通天橋からの紅葉を観賞したあとは、下からの眺めを楽しむために遊歩道を降りていきます。
下に向かって移動していると、先ほどいた通天橋の観賞ポイントが見えるポイントがあります。
通天橋を眺めると「先程まで自分があの修羅場の中に身を置いていたんだ!」と考えるだけで少し気分が悪くなる景色となります。
さらに降りて行くと「洗玉澗(せんぎょくかん)」と言う渓谷があります。
やはり見頃を少し過ぎているため、真っ赤な絨毯を敷いたように落葉しています。
通天橋からの眺めはまさに絶景だったのですが、洗玉澗に広がりを魅せる紅葉のじゅうたんの景色も見ごたえがあります。
紅葉のじゅうたんは境内に立つ約2000本もの木々から落葉する景色になるので、落ち葉の量も半端ありません!
境内を色々と歩いて回るのですが、どこも綺麗で見飽きることがありません。
通天橋は言うまでも無くたくさんの人だったのですが、洗玉澗に降りてきてもやはり人だらけとなります。
東福寺の紅葉は、京都随一との呼び声が高いのにも納得のいく景観となっています。
東福寺には「モミジ・カエデ・イロハモミジ・ヤマモミジ・唐カエデ」などさまざまな種類の木があるのですが、木の種類によって色合いに少しずつ違いがあります。
一般的に木の葉が紅く色付くのを紅葉と言い、黄色く色付くのを黄葉と区別したりするのですが、両方とも紅葉と言われることが一般的になっています。
東福寺の紅葉はさまざまな色付きのコントラストで観光客を楽しませてくれることで、心穏やかな時間を過ごすことができます。
紅葉シーズンの1ヶ月間に40万人の来場者の記憶に残る東福寺の紅葉は、京都随一ではなく全国随一なのかもしれません。
見逃したポイントが無いように何度も何度も歩いて回ります。
思う存分に東福寺の紅葉を満喫したところで、大満足で修羅場の通天橋をあとにする・・
東福寺の寺号は東大寺の「東」と興福寺の「福」
ここで、東福寺について少しだけ紹介しておきます。
まずは、本堂です。
東福寺の本堂は、1881年に仏殿と法堂が焼失したあと1934年に仏殿兼法堂として再建されましたが、重層入母屋造の建物となります。
高さが25.5mで幅が41.4mの大堂となるのですが、昭和の木造建築の中では最大の物となります。
当初の仏殿には15mを誇る釈迦仏像が安置されていたのですが、脇侍の「観音・弥勒両菩薩像」も7.5mあって「新大仏寺」として喧伝されていました。
1319年の火災によって釈迦仏像は焼失してしまったのですが、その後再興され「足利義持⇒豊臣秀吉⇒徳川家康」によって保護修理されて明治を迎えたと言われています。
1881年に釈迦仏像は再び焼失してしまったのですが、現在の東福寺には当時焼失した釈迦仏像の左手部分だけが保管されています。
九条道家によって創建された東福寺は、奈良県にある世界遺産の東大寺と興福寺の「東」と「福」の文字を取って寺号としています。
また、京都五山の第四位の格式を誇ったお寺となります。
現在の本堂には本尊の釈迦如来立像をはじめとして、脇侍の摩訶迦葉尊者や阿南尊者立像さらに四天王像が安置されています。
本尊の釈迦三尊像は1881年に焼失したあと万寿寺から移された像で、もともとは三聖寺に安置されていたものだと言います。
天井に描かれている蒼龍図は日本画家の堂本印象作のものとなるのですが、写真撮影禁止となりますので訪れた際にご自身の目でご確認ください。
東福寺の三門は日本最古で国宝です
本堂の前には国宝となる三門があります。
東福寺の国宝となる三門は、1425年に室町幕府の四代将軍の足利義持(あしかがよしもち)が再建した五間三戸の重層入母屋造の建物で、現存する禅寺の三門としては日本最古のものとなります。
楼上には宝冠釈迦如来(ほうかんしゃかにょらい)をはじめ月蓋長者(がっかいちょうじゃ)や善財童子(ぜんざいどうじ)さらに十六羅漢の諸仏が安置され、天井や柱には南北朝時代から室町時代初期に活躍した画僧となる吉山明兆(きつさんみんちょう)と、その弟子による極彩画が描かれています。
東福寺の御朱印です!
東福寺の参拝がすべて終了しましたので、朱印所にて御朱印を頂きました。
東福寺で頂ける御朱印は通常期は直書きしてもらえるのですが、繁忙期は書き置きのみとなります。
11月1日より秋限定の「紅葉スタンプ付き御朱印」が授与され、手書き用紙で志納料が500円となります。
注意点としまして、11月1日から12月13日までは持参した御朱印帳への記帳はしていないとのことです。
御朱印に関しては、基本的にひとつにつき300円を納めれば頂くことができます。
御朱印は寺社で参拝しなければ頂けないと言うものではなく、仏像鑑賞やパワースポット巡りなど別な楽しみも兼ねた証として頂くと言う考え方もあります。
寺社を訪ねるだけでなく、御朱印集めは「何を書くのか?」や「どんなハンコ(朱印)を押すのか?」さらに「字の良し悪し」などを楽しみのひとつとして収集するのも良いものですよ。
管理人は訪れた寺社仏閣では必ず御朱印を頂いているので、知らず知らずの間に1000に手が届きそうなくらいになっています。
御朱印集めを始めようとお考えの方には、是非お勧めしたいと思います。
尚、近年では御朱印をスタンプラリーのように参拝もしないで頂きに行く方が増えていると言うことですが、最低限のマナーとしては参拝が終了してから頂くことをお勧めしておきます。
東福寺のアクセス及び駐車場情報!
【基本情報】
*基本情報は、できる限り新しい情報を掲載することを心掛けていますが、すべての変化に対応できないのが現状となりますのでご了承ください。
「東福寺秋の特別拝観」
- 特別拝観期間:例年11月中旬から12月上旬が見頃
- 時間:朝8時30分~夕方16時00分(受付終了)
- 拝観料:通天橋・開山堂拝観料は大人(1000円)・小中学生(500円)
*方丈八相庭園拝観料は大人(500円)・小中学生(300円)
*龍吟庵は大人(1000円)・小中学生(500円)※通常は非公開 - 駐車場:無料(30台)
*秋の特別拝観の期間中は駐車場は利用できません!
*この期間に限り東福寺の北駐車場は一時閉鎖
*閉鎖期間:10月25日~12月8日迄
また注意事項として11月12日(土)~30日(水)迄は混雑が予想され「通天橋」及び「臥雲橋」の上での撮影は大変危険ですのでご遠慮とのことです!
「東福寺」
- 住所:〒605-0981京都府京都市東山区本町15-778
- 電話:075-561-0087
- 時間:朝9時00分~夕方16時00分
- 拝観料:通天橋・開山堂拝観料は大人(600円)・小中学生(300円)
*方丈八相庭園拝観料は大人(500円)・小中学生(300円)
*通天橋・開山堂・方丈八相庭園の共通拝観券大人(1000円)・小中学生(500円) - 定休日:法要がある時
- 駐車場:30台(無料)
- アクセス:【公共交通機関】「JR奈良線」もしくは「京阪電車」の「東福寺駅」で下車して徒歩700m(約10分)
「各線」の「京都駅」より「京都市バス(88系統・208系統)」に乗車して「東福寺」の停留所で下車して徒歩700m(約10分)
「阪急京都本線」の「河原町駅」を降りて「四条河原町」の停留所より「京都市バス(207系統)」に乗車して「東福寺」の停留所で下車して徒歩700m(約10分)
「京都市営地下鉄東西線」の「東山駅」を降りて「東山三条」の停留所より「京都市バス(202系統)」に乗車して「東福寺」の停留所で下車して徒歩700m(約10分)
「阪急京都本線」の「祇園四条駅」を降りて「祇園」の停留所より「京都市バス(202系統・207系統)」に乗車して「東福寺」の停留所で下車して徒歩700m(約10分)
【お車】「名神高速」の「京都南IC」より4.8km(約10分)
「名神高速」の「京都東IC」より9km(約18分)
「阪神高速8号京都線」の「鴨川東IC」より約1km(約4分)
最後までお付き合い頂きまして、本当にありがとうございます。
京都随一と言われる東福寺の紅葉ですが、とても色鮮やかで見ごたえがあります。
観光客が多すぎるのが少し問題にはなりますが、それでも素晴らしい紅葉を眺めるためと思って我慢するだけの価値はあると思います。
是非一度訪れて、通天橋からの絶景をご堪能ください!
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