今回紹介するのは、岡山県総社市槙谷に位置する景勝地で名勝に指定される「豪渓(ごうけい)」の紅葉です。
豪渓は、岡山県総社市から加賀郡吉備中央町にわたる高梁川(たかはしがわ)の支流となる槙谷川の上流に位置する渓谷となります。
花崗岩の節理に沿って風化浸食された奇岩が点在し、清流の背後には断崖絶壁となる奇峰が連なるようにそびえ立つ岡山県を代表する景勝地で1923年に国の名勝に指定されています。
新緑がほのかに香る清らかな水が流れる渓谷では蛍の観賞を楽しめ、秋が深まれば真っ赤に色付く紅葉が絶景となるのですが、渓谷と清流とが織りなす壮大な自然美を堪能できることで年間を通して多くの方が訪れます。
全国の紅葉の名所としの知名度に関しては決して高くはない穴場的な扱いを受けていますが、多くの方の口コミにより「非常に綺麗な紅葉が見れる!」との情報に一度訪れてみることにしました。
例年11月中旬には見ごろを迎えて色鮮やかな紅葉が渓谷沿いに設けられた遊歩道の最終目的地点となる「見返り橋」までの全長600mのあいだに立ち並び、訪れる人々の心に残る景色を魅せてくれます。
本日は11月7日となるため紅葉の見頃には「少し早いのでは?」と思いながら訪れることになりました。
準備が整いましたら「豪渓の紅葉」の散策スタートです。
豪渓【アクセス・駐車場】岡山県が誇る紅葉の名所
今回は紅葉の観賞を楽しむため、大阪府より岡山県に向けて車を走らせています。
岡山県の中で紅葉の名所として人気の高いスポットは数多くあるのですが、今回訪れた豪渓の紅葉は正直なところ初めて聞く名所となります。
しかし、地元の方々からすると知らないのが不思議なくらいの名所で、見事に色付く紅葉を観賞することができると言います。
例年のように多くの観光客で賑わうと言いますが、全国的な大きなくくりで見ると知る人ぞ知る穴場的な紅葉の名所になっています。
まず初めに豪渓を訪れるための「アクセス」と「駐車場」に関して簡単に紹介しておきます
豪渓へのアクセはマイカーがお勧めです!
豪渓を訪れるためのアクセスに関しては、やはりマイカーを利用するのがお勧めとなります。
公共交通機関を利用しても行けるのですが、最寄り駅となるのが「JR伯備線」の「豪渓駅」となり、直接豪渓に向かうバスが無いのでタクシーを利用することになります。
「豪渓駅」から8kmほどあってタクシーなら10分ほどで行くことはできますが、3000円近くのタクシー代が必要となります!
マイカーを利用する場合は「岡山自動車道」の「総社IC」を降りることになります。
降りたら国道180号線を西に走り進めて「県立大学入口」の交差点を左折するように国道180号線をキープしながらしばらく走り進めて行きます。
「明治橋」の信号を右折して県道57号線に入ったあとは、道なりに進んでいけば左手側に豪渓駐車場があります。
「総社IC」から17.6kmほどありますが、約30分で行くことができます。
最後に駐車場に関してですが、豪渓には広々とした無料の駐車場が用意されています。
駐車スペースは75台分ありますので、最盛期を迎えた頃でも恐らく渋滞も無く行けのではないかと思います。
今回は「少し早いのでは?」と言う曖昧な状態の中で車を走らせるのですが、山間部を走り進めているあいだも紅葉の気配が非常に薄い状態です!
嫌な予感はしていたのですが、駐車場に到着すると同時に不安に襲われます。
平日ではあるのですが、車の数はそれほど多くはなく人の姿もパラパラと確認はできる程度です。
ガードマンが交通整理をしていることから、最盛期を向かえれば賑わうのは間違いないはずです!
最盛期前は緑と赤のコントラストが最高!
不安な気持ちのまま車を駐車して歩き始めたのですが、豪渓の駐車場がスタート地点となります。
渓谷沿いに全長600mの遊歩道が延びており、最終目的地点となる「見返り橋」まで紅葉を中心に観賞したのち折り返しで帰ってくる形の散策となります。
駐車場より歩き出してすぐに確信に変わります。
「確実に早すぎる!」
一部分では綺麗に紅葉しているものの、ほとんどが青もみじの状態のままとなります。
しかし、この青もみじを好んで観賞に出かける方も多くいますし「緑と赤のコントラストが最高!」と言う方もいたりしますので、真っ赤に染まるだけが紅葉の楽しみ方ではありません。
訪れるスポットが近ければ何度か訪れて、さまざまな彩りに姿を変えていく紅葉を楽しむのも良いかと思います。
今回は真っ赤に染めあげる紅葉の景色を期待していたので少し残念ではありますが、遊歩道沿いから見える渓谷は清らかな清流で見ごたえ十分となります。
歩けども歩けども青もみじの景色が続きましたが、見返り橋までの中間あたりに差し掛かったところで紅く色付き始めた紅葉の景色を楽しめるポイントがありました。
紅葉していると言っても見頃を迎えるにはまだまだ早く、おそらく1週間先ぐらいが見頃だと思われます。
毎年の悩みとして、桜と紅葉に関する見頃に関しては「ドンピシャ!」のタイミングで訪れるのは本当に難しいと考えさせられます。
遠方まで出かけて「早かった!」や「遅すぎた!」さらに「ドンピシャの最盛期!」は訪れてみないと分かりません。
残念な結果で終わることも多々あるのですが、それもひとつのお楽しみと考えて出かけるようにしています。
大阪在住ですから「また来週!」なんてことは簡単にいきませんので、これはこれで十分に楽しみたいと思います。
中間地点にある観光案内所は期間限定!
少しだでも紅く色付く紅葉を見ることができたのでホッと胸を撫でおろすと同時に足取りも少し軽くなり、軽快に歩き進めていると広場になったところに小さな建物があります。
中間地点にある建物は観光案内所と軽食屋を兼ねたものらしく、おでんなどのちょっとした食べ物が販売されています。
この観光案内所は期間限定の営業になっおり、毎年11月1日から11月30日までの営業で、時間に関しては朝の9時00分~夕方の16時00分までだそうです。
近くに休憩所とトイレもありますので、この広場は紅葉が最盛期を迎えるとたくさんの人で賑わうのでしょう。
お店の方と少し話をしたのですが、去年は11月上旬には最盛期を迎えていたと言いますが、今年は少し暑さが残って紅葉するのが遅れていると言うことです。
残念ではありすが、大自然が相手では思うようにいかないのも致し方ないところです!
豪渓寺の境内にはたくさんの石仏が鎮座!
運の悪さを感じますが、気を取り直して歩き進めて行くと左手側に天柱山「豪渓寺」があります。
豪渓寺は江戸後期から明治初め頃に建てられたお寺で、宗派は真言宗醍醐派と言うことですが、総本山は醍醐寺三宝院となります。
豪渓寺のご本尊は天柱山大権現となる「大日大聖不動明王」で総寸が3mあるのですが、平成21年11月に開眼された比較的新しいもので本堂に祀られています。
背後にある天柱山は修験道の修行の山と言われており、山中には諸天善神(しょてんぜんしん)が祀られています。
小さな境内となるのですが、紫灯護摩(さいとうごま)道場の不動明王をはじめとしてたくさんの石仏が鎮座しています。
住職が常駐していない小さなお寺で少し荒れた感じはあるのですが、石仏が数多く立ち並ぶ境内の雰囲気からは並々ならぬ力と味わい深さを感じます。
軽くお参りを済ませると「見返り橋」に向けて歩き始めます。
ここから先は紅葉を楽しむと言うより、断崖絶壁の景色が目に付くようになります。
立ち並ぶようにそびえ立つ断崖絶壁の景色を見上げながら歩いていると、断崖の中腹あたりに展望台らしきものが見えます。
主峰の海抜330mの天柱山(てんちゅうざん)をはじめ、剣峰(けんほう)さらには雲梯峰(うんていほう)は奇岩及び怪岩が天にむかって立ち並んでいます。
あの展望台から見下ろす豪渓の景色はきっと絶景となるのでしょう。
現在では落石の恐れがあるため、登山はおろか立ち入ることすらも禁止されています。
岩肌に刻まれる天柱の文字!
さらに歩みを進めていると、豪渓の見どころのひとつで断崖の岩肌に深く刻まれる「天柱」の文字が見えます。
この「天柱」と刻まれた文字は、享和元年(1801年)に備前の国の和気群で生を受けて幼少から学問を好んだ神童「武元登々庵(たけもととうとうあん)」が書して、石工の2人が14日間かけて刻んだものであると言います。
豪渓を散策する中での一番の見どころと言っても過言ではなく、おしゃべりしながら歩いていると見逃してしまうような所にありますので、お見逃しの無いように・・・
ここからの景色の中心は奇岩と断崖絶壁となるのですが、この景観に紅葉が合わさったところを創造するだけで胸が高鳴ってきます!
この辺りまで来ると、渓谷沿いにある最終目的地点となる「見返り橋」まではすぐ目の前となります。
断崖絶壁を横目に見ながら一気に見返り橋まで向かいます。
見返り橋を渡っている時にうしろを振り返ってはいけない!
最終目的地点の見返り橋は目前ですが「見返り橋を渡っている時にうしろを振り返ってはいけない!」と言う、誰が何のために言い出したのか分からない言い伝えがあります。
それならばと、見返り橋を渡る前に振り返ってみます!
景色は良し!
それ以外に、とりわけ何もありません。
先程までは少しだけあった紅葉ですが、見返り橋の周辺にはほとんど気配がありません!
最後の最後まで綺麗に色付く紅葉を観賞することは叶いませんでしたが、駐車場に引き返すことにします。
断崖絶壁の上にある奇岩はいつの日か落ちるかも?
駐車場に向けて歩いていると、一人のおばさんがおもむろに話しかけてきます。
「ごめんやけど、そのカメラであの岩の真ん中の穴の開いてるところのアップの写真撮れる?」と聞いてくる!
全く意味が分からないまま断崖絶壁の上にある奇岩を最大限のズームを使って写真に撮って見せてあげると「あ~ぁ大丈夫かな?」と言うので「あの穴がどうかしましたか?」と聞き返します。
「おばちゃんな~20年間ず~とこの辺り見てきてるけど、あんな穴は今ままでなかってん!なんか割れてきてるような気がすんねんけど心配やわ~落ちへんかな~?」と、今にも泣き出しそうなぐらいに心配しながら聞いてくる!
そんなおばさんに対し「見る限り全然大丈夫そうですよ!」と安心させてあげる!
するとおばさんが「お兄ちゃんも写真撮っときや~この先どうなるかわからんからな~」と言う!
管理人が見る限りは本当に大丈夫そうなのですが、確かに木の幹が岩の間を貫通して伸びているように見えます!
木が成長して太くなると、ひょっとすると・・・!
せっかくなので、この写真はしっかり撮って残しておくことにします。
いつか本当に木の幹に持ち上げられて奇岩が落ちたときには「その昔、こんな岩がありました!」となるはず・・・
貴重な1枚になるかも・・・
そのおばさんがもうひとつ教えてくれたのが、右の写真の巨石で「亀岩」と言うらしいです。
言ってくれなければ確実に見逃していたぐらい亀に見えませんし、それ以前に木々が生い茂っていて気付きもしません!
心配性の可愛いおばさんに別れを告げると、駐車場に向けて歩き出します。
見返り橋に向けて歩いていた時には気にもしなかったのですが、帰り道で青もみじの部分が紅葉に変わる木々を見ていると、色付いた時には絶景になるなるであろうことは見ているだけでも想像できます!
今回は豪渓の真の紅葉の姿に関しては見ることが叶わなかったのですが、絶景の景色に変わることの確信だけは得ることができました。
最盛期を迎えてから11月中旬頃までは思う存分に紅葉を楽しめると思いますので「どこかいい紅葉の名所がないかな?」と探しているようでしたら、是非一度訪れてみて下さい!
次に豪渓を訪れる機会があれば真の姿を観賞してみたいと考えながら「気まぐれファミリー」は緑に輝く青もみじの色のコントラストを楽しみながら歩き続ける・・
豪渓のアクセス及び駐車場情報!
【基本情報】
*基本情報はできる限り新しい情報を掲載することを心掛けていますが、すべての変化に対応できないのが現状となりますのでご了承ください。
「豪渓」
- 住所:〒719-1151岡山県総社市槙谷2761
- 電話:0866-92-8200(総社市役所)
- 時間:散策自由
- 観覧料:無料
- 定休日:無休
- 駐車場:無料(普通車75台・バス3台)
- アクセス:【公共交通機関】「JR伯備線」の「豪渓駅」からタクシーで8.1km(約10分)
「JR伯備線」の「総社駅」からタクシーで11.8km(約15分)
【お車】「岡山自動車道」の「総社岡山西IC」を降りて「国道180号線」を西に走り「県立大学入口」の交差点を左折するように「国道180号線」をキープしながらしばらく進み「明治橋」の信号を右折して「県道57号線」に入りあとは道なりに進んでいけば左手側に「豪渓駐車場」があります17.6km(約30分)
「豪渓観光案内所」
- 住所:〒719-1151岡山県総社市槙谷2761
- 電話:080-6345-9132(11月1日~11月30日)
- 時間:9:00~16:00
- 営業:11月1日~11月30日
「豪渓寺」天柱山
- 住所: 〒719-1151岡山県総社市槇谷2763
- 電話:0866-95-8718、FAX: 0866-95-9231
- 時間:境内自由
- 拝観料:無料
- 定休日:境内自由
- 駐車場:無(豪渓駐車場を利用)
最後までお付き合い頂きまして、本当にありがとうございます。
今回の紹介では豪渓で観賞できる本来の紅葉の良さはお伝えできませんでしたが、私自身の観点から見て見頃を迎えた豪渓の紅葉は最高の景色に違いないと確信しています。
もう一度訪れる機会があれば、見ごろを迎えた豪渓の紅葉の真の姿をお伝えしたいと思います。
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