今回紹介するのは、三重県熊野市木本町にある「鬼ヶ城」です。
全長25kmを誇る、日本一長い「砂礫海岸(されきかいがん)」の「七里御浜」の最北部の東側に位置する「鬼ヶ城」は、荒々しい黒潮の荒波が打ち寄せる、海岸沿いに設けられた約1kmの遊歩道となります。
数回の大地震により隆起した凝灰岩(ぎょうかいがん)の岩壁は、荒波の浸食により、大小無数の「海食洞」が立ち並んだ奇岩が織りなす奇勝となります。
1kmにも及ぶ遊歩道は、大岩壁沿いを上へ下へとトリッキングに歩き進めるコースとなり、随所で名前の付けられた見どころとなる「洞窟」や「断崖」などの、絶景を楽しみながら歩くのが醍醐味となります。
「鬼ヶ城」には、海岸線沿いの遊歩道以外にも「鬼ヶ城」の東口からは「桜の名所」として有名な、2000本もの桜の木が植えられた「鬼ヶ城跡」へ向かうハイキングコースや「熊野古道・松本峠」へと繋がっていくハイキングコースなどもあります。
四季折々の景色を眺めながらのハイキングを楽しめるスポットとなり、1年を通して多くの方が訪れます。
「鬼ヶ城」は、昭和10年(1935年)の12月24日に、国の名勝及び天然記念物に指定されたのですが、昭和33年(1958年)の6月24日には、西の海岸沿いにある「獅子巌(ししいわ)」が追加指定として、国の名勝および天然記念物に指定されたことで「熊野の鬼ケ城・附・獅子巖(くまののおにがじょう・つけたり・ししいわ)」と、名称が変更されました。
さらに平成16年(2004年)7月には、ユネスコの世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」の一部となる「構成資産」として登録されています。
そんな「鬼ヶ城」ではありますが、ここでは大自然の荒波の浸食だからこそ造り出すことができた、海岸沿いに立ち並ぶ奇岩の紹介となります。
準備が整いましたら「鬼ヶ城」の、散策スタートです!
鬼ヶ城【アクセス・駐車場】遊歩道に立ち並ぶ奇岩の絶景!
今回は、三重県熊野市木本町に位置し、地震により隆起した凝灰岩の大岩壁が、熊野灘の荒波の浸食によって造り出された、無数の「海食洞」が織りなす絶景を観賞するため「マイカー」を走らせます。
日本の紀伊半島の南端にある「鬼ヶ城」は、訪れるにあたっては、少しだけ問題があります。
ひとつ目の問題となるのは「鬼ヶ城」への「アクセス」に関してですが「公共交通機関」を利用する場合は、最寄駅から歩いて行くには微妙な距離となりますが「三重交通バス」や「熊野市市街地周遊バス」を利用することで特に問題なく行くことができます。
ただ「マイカー」を利用するとなると、少し苦労します。
「鬼ヶ城」は、三重県でも最南端にほど近い海岸沿いに位置していると言うこともあり、訪れるには少々お時間が掛かるかと思います。
まず初めに「鬼ヶ城」への「アクセス」と「駐車場」に関して、簡単に紹介しておきます。
鬼ヶ城へのアクセスと駐車場です!
「鬼ヶ城」への「アクセス」に関しては「公共交通機関」を利用する場合でしたら、和歌山県内から三重県内のほぼ海岸沿いを走る「JR紀勢本線」の「熊野市駅」で下車することになります。
あとは、徒歩で2.4kmほどとなりますので「熊野市駅」からは、約35分で行くことができます。
また「大泊駅」からでしたら徒歩で1.8kmほどとなり、少し近くなりますが、約27分はかかります。
また「熊野市駅」及び「大泊駅」から「三重交通バス(新宮駅行き)」に乗車し「鬼ヶ城東口」のバス停留所で下車すれば、700メートルほどで「鬼ヶ城センター」まで行けますので、ご自身の予定に合わせてお考え下さい!
さらに「熊野市市街地周遊バス」でしたら「土・日・祝日限定」となりますが「1日1人200円(小学生以上)乗り放題」となります。
熊野市の市街地にある観光名所や、体感施設を巡るお得な路線バスに乗ることもできますので、色々と回るのでしたら「熊野市市街地周遊バス」を、ご利用することをお勧めします。
次に「マイカー」を利用して訪れるとなれば、三重県側からですと「熊野尾鷲道路」の終点「熊野大泊IC」より「国道42号線(熊野街道)」の七里御浜沿いを「新宮方面」へ1.2kmほど走り進めれば到着できます。
和歌山県側からとなりますと「紀勢自動車道(無料区間)」の「すさみ南IC」を降りるのですが、降りてから少し距離は遠く「国道42号線(熊野街道)」を、ひたすら約89kmほど走り進めることで「鬼ヶ城センター」の「無料駐車場」に到着となります。
「すさみ南IC」からでしたら、約2時間ほどの時間が必要となります。
尚、訪れるには少し時間は必要になるかと思いますが、交通量に関しては、基本的に渋滞はなく空いているので、軽快に走り進めることができますので、その点では楽に走れるかと思いますので、事故の無いようにお気を付けください!
最後に「駐車場」に関してですが「鬼ヶ城」は、海岸沿いに続く「国道42号線(熊野街道)」にある「鬼が城トンネル」を挟んで「西側(和歌山県側)」の出入口と「東側(三重県側)」より散策するための「遊歩道」の出入口があります。
基本的にはどちらからでも歩き出すことはできますが「西側(和歌山県側)」の出入口にある「駐車場」は「喫茶&お食事処」の「駐車場」となり、2~3台ほどの駐車スペースしかないので、そちらからのスタートは基本的にはありません!
ただ「バス停」が目の前にありますので、バスで訪れて「鬼ヶ城西口の遊歩道から歩き出す」と言う、考え方はありかと思います。
続いて「鬼ヶ城トンネル」の「東側(三重県側)」からは「鬼ヶ城センター」に入ることになりますが、すぐに「第2駐車場」があるのですが「バス18台」の駐車場となりますので、さらに奥まで走り進めて、突き当りとなるところが「第1駐車場」となります。
「鬼ヶ城センター」の前にある「第1駐車場」は、とても広々としており「普通車70台・バス10台・身体障碍者用2台」の「無料大型駐車場」となりますので、よほどのことが無い限り「満車」になることは無いと思います。
本日の到着は、朝一番の6時15分となりますが「24時間利用可能」で「トイレ」もありますので「車中泊」の車が、約20台ほど止まっています。
「鬼ヶ城センター」は「年中無休」となりますが、営業時間は朝の9時00分~夕方の17時00分までとなりますので、前にある「熊野漁協水産物直売所」と共に、今の時間帯は閉店しています。
「鬼ヶ城センター」と「熊野漁協水産物直売所」を、ご利用予定の方は、訪れる時間にお気を付けください!
鬼ヶ城の遊歩道に点在する17か所の見どころ!
「鬼ヶ城」の、海岸沿いの遊歩道への立ち入りに関しては、基本的には時間に制限は無いので、どのタイミングでも出入りが自由となります。
足元の悪さなどから考えると、日のあるうちがお勧めとなり、今回は到着後に少し休憩をとってからの、朝の7時00分頃に遊歩道へと向かいました。
「鬼ヶ城」の遊歩道は、最初の見どころとなる荒波の浸食によりできた「海食洞」の「千畳敷(せんじょうじき)」までは、基本的に整備が行き届いているため、歩きやすくなっています。
それ以降の遊歩道に関しては、アップダウンが多いほか、片側が簡単な「鉄の手すり」が付いているだけの断崖で、狭い遊歩道に変わりますので、どこまで歩いて行くかは人それぞれとなります。
歩き進めていると看板があり、本日の「鬼ヶ城の遊歩道の通行規制!」が書かれており、全面となる「鬼ヶ城センター」から「鬼ヶ城西口側入口」までの遊歩道が「通行可能!」となっています。
以前にも一度「鬼ヶ城」を訪れたことがあるのですが、その時は2ヶ所目の見どころとなる「奥の木戸」を少し過ぎたあたりで、平成27年7月17日に通過した台風11号の被害によって「通行禁止!」となっていました。
「ここまで来て!」と言う、非常に残念な結果に終わってしまったこともあるので「全遊歩道を歩きたい!」と考えて遠方から訪れる方は、事前に「鬼ヶ城センター」に、電話確認してからお出かけになるのも良いかと思います。
尚、平成29年2月2日からは、災害復旧工事も終了したため「鬼ヶ城センター」から「鬼ヶ城西口側入口」まで「全面通行可能」になっています。
歩き出して100メートルぐらいで「鬼ヶ城」と書かれた木の立て看板があり、その数十メートル前方に、最初の見どころとなる「千畳敷」への入口があります。
「鬼ヶ城」と呼ばれるこの地は、鬼を従えた「鬼の大将」の海賊「多娥丸(たがまる)」が、本拠地としていたと言う伝説が残っています。
「鬼ヶ城」への入口には、2メートルほどの大きな丸い穴が開いており、穴の上にはまるで「鬼が大きな口を開けている!」かのように浸食した奇岩が、最初のお出迎えとなります。
丸い穴をくぐり抜けると、広々とした「海食洞」の空間が広がり、凝灰岩の大岩壁が頭上を覆いかぶす形になっており、思わず息を飲むほどの絶景の空間が広がりを魅せます。
「千畳敷」は、石英粗面岩が海蝕されてできた「大洞窟」となるのですが、熊野灘に向かって5段からなる段丘となります。
大地震が起きるたびに隆起したもので、高さが15メートルあり、広さに関しては1500m²もあるのですが、上段と下段に分かれた「千畳敷」は「鬼の大将」で海賊の「多娥丸の住みか」であったと言います。
数人の先客の方が、この広い「千畳敷」のあちらこちらを歩き回って記念写真を撮っていますが、基本的には多くの方が、ここ「千畳敷」と、少し奥にある「奥の木戸」を歩き回ったのち「鬼ヶ城センター」へと引き返して行く形となります。
「千畳敷」の奥にある、2か所目の見どころとなる「奥の木戸」より先に続く遊歩道は危険ではないのですが、それなりにアップダウンの高低差のある遊歩道となります。
また、高さのある断崖絶壁沿いを進んで行くと言うこともあり、ちょっとだけ怖い感じの散策へと変わって行きます。
ここまでの見どころは2ヶ所でしたが、これより先には残り15か所にも及ぶ見どころとなる、名前の付けられた大自然の力で造られた「海食洞」が点在します。
是非一度、ゆっくりと歩いて頂きたいところなのですが、注意点としては基本的には往復する形の遊歩道となります。
散策時間に関しては、今回は色々と見ながら歩いたので「鬼が城西口」まで約1時間かかったのですが、帰りはただただ歩き進めるだけでしたので、30分ほどで帰れました。
あと休憩なども考えると、2時間ぐらいは必要かと思います。
尚、17か所ある名前の付けられた見どころとなるスポットには、上の写真のような「黒の石板」が、必ず埋め込まれていますので、順を追って観賞していく形となります。
簡単にではありますが「奥の木戸」より先の見どころを紹介していきたいと思いますので、お付き合いください!
「奥の木戸」より先は、断崖絶壁沿いの遊歩道に変わり、左手側に「鉄の手すり」が付けられた道となり、アップダウンの高低差のある遊歩道となります。
2分ぐらい歩いていると、3か所目の見どころとなる「猿戻」と刻まれた石板が見えてきます。
「猿戻」は、長さで言うと約100メートルで、高さが10メートルほどある断崖絶壁となるのですが、その先は岩の裂け目が見えており、その裂け目に打ち寄せる荒波が飛び散る景色がとても壮観で、見どころとなります!
約100メートルほど続く遊歩道の途中で下を覗くと、4か所目の見どころとなる「鬼の風呂桶」があります。
「鬼の風呂桶」は、大岩にポカンと開いた穴となり、その名の通り「鬼が入浴していた場所!」であったと言います。
岩の裂け目に架かる「鉄の橋」を渡って歩き進めて行くのですが、なかなかにトリッキングな遊歩道となり、ひとりで訪れて歩き進めるとなると、少し心細い道となります。
その先には、5か所目の見どころとなる「犬戻」があります。
「犬戻」と刻まれた石板があるのですが「どれかな~?」と、少し悩みます。
ここまでも、ここからもそうですが「恐らくこれやな!?」と言う感じのものが多々あります。
訪れた際は、付けられた名前から、フルにご自身の想像力を働かせて探し出してもらいたいのですが「犬戻」に関しては、さらに上に登るための階段が付いています。
さらに「手すり無し!」と言う、少し危険な形となり、足を滑らせて下に落ちると大変なことになりますので「登る!」か「やめておく!」かは、その時の状況でお考え下さい!
少し登り進めていると、小さな「海食洞」があり、それより先には階段はありませんので、少し高くなった場所より熊野灘を一望したところで、次の見どころへ歩き進めて行きます。
断崖の下に巨岩が点在する場所があり、6か所目の見どころとなる「神楽岩」に続いて、7か所目の見どころとなる「木喰岩」が立て続けに現われます。
6か所目の見どころとなる「神楽岩」に関しては「かぐら」と言う語源は「神座(かむくら・かみくら)」が転じたとされるため「神座」は「神の宿るところ」や「招魂・鎮魂を行う場所」を意味するため、神が宿っているのでは・・・
そんなことを考えながら数歩進むと、次の見どころとなる「木喰岩」が現われます。
この「木喰岩」と言う名の付いた理由は、約300トンの大岩が、太平洋の荒れ狂う大波で持ち上げられ、その大岩の下に流木が食い込むことから付いたと言われています。
また、大波が押し寄せるたびに、流木は入れ替わると言います。
「木喰岩」を過ぎると、少し中休みとなる歩きやすい遊歩道に変わります。
点在する巨岩を横目に見ながら歩き進めて行くのもつかの間で、再び断崖絶壁沿いを歩き進めて行くことになります。
荒波によって曲げられた鉄柱と、頼りないチェーンの手すりだけと言う、なんとも頼りない命綱を頼りに、とても狭い遊歩道を歩いていると、8か所目の見どころとなる「鰐岩(わにいわ)」が姿を現わします。
下を覗いて見ると、20メートルから30メートルはある横長の大岩があり、その名の通り「鰐(わに)」の姿に見えると言えば見えるのですが「何故ワニ?」と言う疑問も、同時に生まれます。
「まるで海を泳ぐワニの姿に似ている!」と、誰がと言う訳ではなく言い出したことで「鰐岩」と、名前が付けられたと言うのですが、どちらかと言うと「鯨岩(くじらいわ)」などが良いのではないかと、ケチを付けたくなるのは何故でしょうか?
「鰐岩」まで来ると、ちょうど「中間地点」になるのですが、少し歩いていると、次の見どころとなるのが「潮吹」です!
「潮吹」は、岩の割れ目に挟まれた、大岩の下に両側から波が押し寄せ、その勢いで潮が吹きだすのですが、その時の吠えるような音が魅力的な見どころとなるのですが、本日は海が荒れていないため、その轟音を聞くことも見ることも叶いませんでした。
「潮吹」があるなら、やはり「鯨岩のほうが良かったのでは?」と、いつまでも考えてしまいます。
気を取り直して少し歩き進めていると、最初の見どころだった「千畳敷」と、よく似た感じの広い空間が広がる「海食洞」の「鬼の見張場」が、姿を現します。
「鬼の見張場」があるこの場所は、その昔、海の交通が盛んであった頃には、右手側にある七里御浜をも一望できる「見張場」としては、最高の場所であったと言います。
本日は、晴れたり曇ったりの嫌な天候ですが、晴れた日には、熊野灘を一望できるスポットに違いないと思えるほどに、素晴らしい景色が広がりを魅せます。
後半に向けて歩き進めて行くと、少しあいだの開いた岩の切れ間を繋ぐように鉄の橋が架けられており、ここが、次の見どころとなる「飛渡り」となります。
岩の切れ間となる「飛渡り」は、深く下に落ち込む切れ間となり、切れ間の奥底より怒涛の如く音が聞こえてくるのですが、荒波により飛沫(しぶき)がここまであがってくると言われています。
鉄の橋が無かった時には、この切れ間を「飛んで渡っていた」と、言うことから付いた名前となります。
ここより先は、連続していた名前の付いた見どころが少し姿を見せませんが、いくらでも名前を付けられそうな「荒波の浸食」によってできた無数の「海食洞」が立ち並んでおり、それらの奇岩が織りなす奇勝は、まさに絶景続きとなります。
しばらく歩いていると「水谷茶屋跡」と言う場所にある「水谷」と言う見どころが現われます。
「水谷茶屋跡」と書かれた、石板がある広いスペースですが「本当にこんなところに茶屋があったのか?」と、少し疑う気持ちもあります。
それを言い出したら「鬼が住んでいた!」と言うことすらも否定することになりますので、茶屋はあったと言うことで話を進めます。
広々とした空間の隅となる断崖沿いに、見どころとなる「水谷」があり、断崖の山頂より絶えず清水が流れ落ちてくるのですが、その昔は「鬼が水を汲んでいた場所である!」と言われています。
清水が流れ落ちてくる水谷は「台所!」と考えても良いと思われ、隣の階段を登れば、すぐに次の見どころとなる「鬼の洗濯場」があります。
こちらも、先程と同じく断崖の頂上より清水が流れてきているのですが「鬼の洗濯場」に関しては、少しだけ山の斜面を登ったところにあります。
意を決して登ってみたのですが、持つところや足を掛けるところが無く、滑りやすい斜面となりますので、無理に登ることはしないようにして下さい!
見ることが「出来る!」か「出来ない!」かは、運動神経によりますが、頂上までの中間地点まで行くと、平らで大きな岩場があり、鬼はここで洗濯をしたと言います。
と、少し危険な位置にある「鬼の洗濯場」を越えれば、次の見どころは「行者窟」となります。
断崖の中腹にある見どころの「行者窟」ですが、その昔、役行者が修行された跡かと思うのですが、中腹には小さな「窟」があります。
窟の中には石柱が立てられており、さらにその奥にある壁には穴が開けられていて、その穴に石仏ではないのですが、それに見立てた「仏様」のような物が、お祀りされています。
なかなかに見ごたえのある「行者窟」ですので、気付かずに行き過ぎてしまわぬように「鬼の洗濯場」を過ぎてからは、頭上を少し気にしながら歩き進めてください!
「行者窟」を過ぎると、最後の「海食洞」があるのですが、見どころのひとつとなるのが「蜂の巣」で、その「蜂の巣」の中にもうひとつの見どころとなる「波切不動」が鎮座しています。
名前の付けられた、浸食によって造り出された数々の奇岩のスポットに関しては、これで全て観賞となります。
見どころとなる「蜂の巣」は、まさに巨大な「蜂の巣」の姿そのものとなり、見ているだけでも背筋が「ゾクゾク」するほど気色の悪いもので、広範囲にわたって「蜂の巣」が「海食洞」の天井部分を中心に点在しています。
そんな「蜂の巣」の中央付近には、もうひとつの見どころとなる「波切不動」が鎮座しており、黒の極太ロープが、少し小高くなった場所より垂れ下がっています。
遊歩道は、全体的にざらざらした地盤となるため、ほとんど「滑る!」と言うことは無いのですが、ロープが垂れ下がる辺りには、細かい砂が意外と多いため、なかなかに滑りやすくなっており、上に登るだけでもひと苦労します。
「鬼ヶ城」の海岸沿いの断崖絶壁は、基本的には石英粗面岩の岩盤からなるのですが、黒い極太ロープが巻かれた岩に関しては、一種異質なものとなります。
その昔は「不動尊の形」であったとも言われており、浸食と風化によって現在の形になってしまったと言います。
と、言った見どころが16か所目となり、最後の見どころとなる「弁天神社」にお祀りされている「木本浦の弁天さん」に向かいます。
歩きやすいコンクリートの遊歩道に変わったところに、山の上へと続く石階段がありますので「弁天神社」に向けて、登り進めて行きます。
石垣の上に鎮座する小さな社が「鬼ヶ城」での最後の見どころとなる「弁天神社」となり、もちろん「弁財天」がお祀りされています。
「七福神」のひとりに数えられる「弁財天」は「技芸・豊漁・豊穣の神様」となり、元はインドの「水の女神」として「音楽・福徳・学芸」などの、幅広い徳を授けてくれることで親しまれています。
木本浦に鎮座する「弁天さん」は、財を成した岩田屋の邸内に私祭していたものであり、遺言によってこの「鬼ヶ城」の地に遷宮(せんぐう)されたと言います。
「木本浦の弁天さん」と親しまれ、ここ脇の浜の断崖より「入舟・出舟を見守る神様!」として信仰が深まっていました。
現存する最古の棟札は、1804年の物なのですが、それ以前から磯場の別の場所にお祀りされていたと言います。
また、現在のお社は昭和55年8月のものとなりますが、何度も修築を重ねてきたことで、今もなお大切にお祀りされていると言います。
お社の右隣には、小さな祠(ほこら)があるのですが「元宮」となり「木本浦」と向かい合って町を見守っています。
と、言うような「弁天神社」が、見どころとして鎮座しながらこの地を見守っているのですが、ここまでで「鬼ヶ城」の散策のすべてが終了となります。
海岸沿いに約1kmの遊歩道が続く「鬼ヶ城」は、数回の大地震により隆起した凝灰岩の大岩壁となり、荒波の浸食によって大小無数の海食洞ができ、それらの立ち並ぶ姿が超絶景となるスポットとなります。
国の名勝で天然記念物に指定され、ユネスコの「世界遺産」で「紀伊山地の霊場と参詣道」の一部となる構成資産として登録されていることにも、納得のいく歴史が伝わっています。
是非一度訪れて、ご自身で1kmに及ぶ断崖絶壁沿いに続く遊歩道を歩いて、大自然が造り出す超絶景をご堪能下さい!
鬼ヶ城センターのアクセス及び駐車場情報!
【基本情報】
*基本情報は、できる限り新しい情報を掲載することを心掛けていますが、すべての変化に対応できないのが現状となりますのでご了承ください。
「鬼ヶ城センター」
- 住所:〒519-4323三重県熊野市木本町1835-7
- 電話:0597-89-1502・FAX:0597-89-1208
- 営業時間:朝の9時00分~夕方の17時00分
*遊歩道に関しては散策自由です! - 定休日:年中無休
- 観覧料:無料
- 駐車場:無料「第1駐車場(普通車70台・バス10台・身体障碍者用2台)・第2駐車場(バス18台)」
- アクセス:【公共交通機関】「JR紀勢本線」の「熊野市駅」から徒歩で2.4km(約35分)
「JR紀勢本線」の「大泊駅」から徒歩で1.8km(約27分)
または「熊野市駅」からでしたら「熊野市市街地周遊バス(土・日・祝日限定)」で「1日乗り放題1人200円(小学生以上)」に乗車することもできます。
【お車】「熊野尾鷲道路」の「熊野大泊IC」から「国道42号線(熊野街道)」の七里御浜沿いを新宮方面へ1.2km(約3分)
「紀勢自動車道(無料区間)」の「すさみ南IC」を降りてから「国道42号線(熊野街道)」をひたすら「鬼が城センター」まで走り進めます89km(約2時間)
最後までお付き合いいただき本当にありがとうございます。
「鬼ヶ城」は「アクセスの面が少し悪い!」と言う難点がありますが、地盤の隆起や波の侵食によって形成された優れた景色は見ごたえ十分となるほか、大自然が造り出した芸術作品と呼ぶに値する無数の海食洞の絶景が魅力となります。
国の名勝で、天然記念物に指定されるほか、ユネスコの「世界遺産」で「紀伊山地の霊場と参詣道」の一部として構成資産に指定されていますので、是非一度、断崖絶壁沿いに整備された遊歩道を歩いて、大自然が造り出す超絶景をご堪能下さい!
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