元興寺~見どころ紹介【アクセス・駐車場・御朱印】

今回紹介するのは、奈良県奈良市中院町に鎮座し「古都奈良の文化財」として「世界文化遺産」の「構成資産」のひとつに数えられている「元興寺(がんごうじ)」です。

元興寺」は、1400年前となる「飛鳥時代」に「蘇我馬子」が創建した「日本最古の寺院」となる「法興寺(飛鳥寺)」を「平城遷都」にともなって、718年に奈良県のこの地に移されたものです。

現在の寺号は「元興寺」となるのですが、1977年までは「元興寺極楽坊」と、称されていました。

元興寺」は、同じ奈良市の「芝新屋町」にもあり、もともとはひとつの寺院であったのですが、間違ってはいけないのが「世界文化遺産」に登録されているのは「中院町」にある「元興寺」と言うことです。

世界文化遺産『元興寺』です。

世界文化遺産『元興寺』です!

境内にある「禅室」の南面と「極楽堂」の西面の屋根には、創建された当時の「法興寺」の屋根に使われていた「行基葺の瓦」となる「古代瓦」が、現在に至っても残っており、見どころのひとつになっています。

また「花のお寺」とも呼ばれている「元興寺」の境内では、四季を通して美しい花を見ることができます。

3月下旬には「椿(つばき)」の花が開き、4月上旬には、日本の国花と言っても過言ではない「」が開花し、さらに6月上旬から9月の下旬にかけては「桔梗(ききょう)」が、清楚で気品漂う紫の花を咲かせ、9月の下旬になると、秋を代表する花のひとつ「」が見頃となります。

元興寺」は「世界文化遺産」に登録されているのですが、現在のところ観光地化されていません!

素朴ではありますが、やはり「世界文化遺産」になるだけの、歴史の古い寺院ですので、見どころはたくさんあります。

そんな境内の見どころを、順に追って紹介していきたいと思います。

準備が整いましたら「元興寺」の散策スタートです。

 

元興寺~見どころ紹介【アクセス・駐車場・御朱印】

今回は、奈良県奈良市中院町に鎮座し「古都奈良の文化財」として「世界文化遺産」の「構成資産」のひとつに数えられている「元興寺(がんごうじ)」に向けて車を走らせています。

奈良県の中心地となる「奈良公園」にほど近い「元興寺」は「アクセス面」が非常に良い「世界文化遺産」であるため、境内は大賑わいかと思いきや、現在に至っても、それと言って観光地化されていないため、とても静かな境内となります。

まず初めに「元興寺」への「アクセス」について、簡単に紹介しておきます。

 

元興寺へのアクセスは良好です!

元興寺」への「アクセス」に関してですが「公共交通機関」を利用しても「マイカー」を利用しても、比較的簡単に訪れることができます。

今回は「マイカー」を利用して訪れたのですが、奈良県の中心地となる「奈良公園」の、少しだけ南西に鎮座する「元興寺」ですから、どの方面からでも比較的簡単に訪れることができます。

まずは「西名阪自動車道」及び「名阪国道」の「天理IC」からでしたら「国道169号線」を北上したのち、看板に従って「福智院北」の交差点を左折します。

道なりに走り進めて、1つ目の信号を左折したら、少し走り進めた先の右手側に「元興寺」の「無料駐車場」があります。

『元興寺』の無料駐車場です。

『元興寺』の無料駐車場です!

天理IC」からですと、7.2kmほどとなりますので、15分程度で到着できるかと思います。

続いては「第二阪奈有料道路」の終点となる 「宝来ランプ」からでしたら「国道308号線」から「県道1号線」を経由して走り進めることになりますが、6.2kmほどですので、こちらからでも15分程度で行くことができます。

駐車場に関してですが「元興寺」の東側に「乗用車専用」の「無料駐車場」が用意されており、駐車の仕方にもよりますが、12台ほどは駐車可能となっています。

少し狭い道となり、歩行者もそれなりにいますので、慌てずにゆっくりと走り進めてください!

最後に「公共交通機関」を利用した場合の「最寄り駅」は「近鉄」の「奈良駅」となるのですが、南東方面に約1kmほどとなりますので、12分ほどで行けます。

また「JR」の「奈良駅」からでしたら、東に向かって1.4kmほどとなりますので、約17分で行くことができます。

どちらからでも、十分に歩いて行ける距離となりますので、ご自身の予定に合わせてお選びください!

以上が「元興寺」への「アクセス」と「駐車場」の紹介とります。

 

東門は東大寺の西南院のものです!

境内の東側にある出入口より「マイカー」で中に入り、車を駐車したところで散策開始です!

はっきり言って「元興寺」は、見た目からは「世界文化遺産」としての貫禄は感じられず、どちらかと言うと、素朴な雰囲気の漂う寺院となります。

しかし「世界文化遺産」として登録されているのには、それ相応の歴史があります。

まずは「元興寺」の境内に入るにあたり「拝観料」が必要となりますので、拝観料500円×2=1000円を納めて、先に進みます。

元興寺」の境内への入口となる「東門」は、鎌倉時代のもの言われ、古い歴史を持つため「重要文化財」に指定されています。

元興寺の正門となる『東門』です。

元興寺の正門となる『東門』です!

もともとは「東大寺」の「西南院」にあったものを「極楽坊の正門」として移築されたものですが、年代を感じることができる重々しい雰囲気の「東門」は、大きくはありませんが、見応えのある門となっています。

もともと「元興寺」は「蘇我馬子(そがのうまこ)」が、飛鳥に建立した「日本最古の寺院」で、本格的伽藍を備える「法興寺(飛鳥寺)」でしたが「平城遷都」により、飛鳥からこの地に移転し、近く「東大寺」や「興福寺」などと、肩を並べる大寺院でした。

しかし、たび重なる罹災により「大伽藍」は姿を消し、中世以降次第に徐々に衰退していきました。

極楽坊正門」として、応永18年(1411年)に、この場所に「東門」が移築されたことにより、正面にある「極楽坊本堂」を中心として「元興寺旧伽藍」から独立した「中世寺院」として、再生したことを示したと言います。

そんな「重要文化財」として指定されている「東門」をくぐり、境内へと入って行きます。

 

古い歴史が残る極楽坊本堂と極楽坊禅室

元興寺」は、奈良市にある「南都七大寺」のひとつに数えられるほど、歴史の深い寺院となっています。

南都七大寺」は「奈良時代」に「平城京」及び、その周辺に存在して朝廷の保護を受けた、7つの大寺のことになります。

元興寺」をはじめとして「東大寺・興福寺・西大寺・薬師寺・唐招提寺・大安寺」など、名だたる寺院が主となっています。

境内に入ると同時に正面に建っているのが「極楽坊本堂」となるのですが、このお堂は「元興寺東室南階大坊」となり、寺院内において僧侶が生活を送る居住空間となる「僧坊」の一部となるのですが、四方向に傾斜する屋根面をもつ寄棟造に大改築された「本堂」となります。

国宝となる『極楽坊本堂』です。

国宝となる『極楽坊本堂』です!

また「元興寺」には本尊が無く「智光法師」が感得した「浄土曼荼羅」が、本尊となっているのが特徴的でもあります。

屋根瓦の一部は「飛鳥時代」のものを使用しており、角柱や天井板には「奈良時代」のものが使われています。

使用されている木材から、歴史を感じることができる建物で、国宝として指定されています。

極楽坊本堂」は、僧坊の一部でしたが、鎌倉時代に「極楽堂」と「禅室」に分かれるように、作り直されています。

極楽坊本堂」と、立て並びに建っているのが「禅室」となり「極楽坊本堂」と共に、国宝となっています。

『極楽坊本堂』と『極楽坊禅室』

国宝となる「極楽坊禅室」は「元興寺東室南階大坊」となり、4房分に区切られた僧坊となるのですが、1房に5~8人の僧が生活をしていたと言います。

簡素ではあるのですが、おもむきのある作りになっています。

生活をしていた僧坊にしては「窓が一切見あたらない!」ところなどは、少し閉鎖的な印象を与えます。

鎌倉時代に改築され「大仏様式」の手法が施されているのですが、軒廻りによく残されています。

創建当初からの礎石や構造部材が、今もなお残る貴重な建物となります。

南側の屋根瓦の一部は「極楽坊本堂」と同じく「飛鳥時代」の瓦が一部使用されており「元興寺」の見どころのひとつとなります。

 

1400年の時を越えて残り続ける古代瓦

先ほども少し話しましたが「元興寺」を訪れた際は「日本で一番古い!」とされている「古代瓦」を見ることが、最大の見どころとなります。

1400年前の古代瓦です。

1400年前の古代瓦です!

この「古代瓦」は「行基葺の瓦」と言われ、もとは「飛鳥時代」に創建された「法興寺」の屋根に使われていたことから「1400年前の瓦」となります。

新しいものも混在しているのですが、パラパラとある「茶色」や「黒色」の瓦が「古代瓦」となっているみたいで、最初は管理人自身も知らなかったのですが、一緒に居合わせたおじさんが、いろいろ説明してくれるのを聞いたので、おそらく間違いないと思います。

また「古代瓦」を観賞するためのポイントがあり「極楽坊本堂」の南側となる、左手側の境内の奥にある「石仏群」と「石仏群」のあいだの道を、最奥に歩き進めたところに「眺所」と書かれた目印があります。

『眺所』と書かれた目印です。

『眺所』と書かれた目印です!

ところどころに見える「1400年前の瓦」が、異常気象の多いこの時代でも、腐敗せずに残り続けていると言うことに、一番驚かされるところです。

元興寺」を訪れた限りは、この「古代瓦」は、絶対に見て帰るポイントとなっていますので、お見逃しの無いように・・

 

2千5百基の石塔・石仏類が並ぶ浮図田

1400年前の「古代瓦」をゆっくりと観賞したあと、足元をはじめ、境内の南側中央から最奥にかけて置かれているものが、やけに気になってきます。

古代瓦」を見るのに夢中になるあまり、そのあいだは気にもしなかったのですが、改めて見るこのおびただしい数の「石塔・石仏」が、やけに気になってきます。

おびただしい数の『石塔・石仏』です。

おびただしい数の『石塔・石仏』

この数多くの「石塔・石仏」を総称したものを「浮図(ぶと)」と呼び「元興寺」の境内には、周辺地域や寺内から集まった「石塔・石仏類」が、なんと2千5百基余もあり「田圃(たんぼ)の稲」の如く、整備されていることから「浮図田(ふとでん)」と、呼ばれています。

石仏類」は、中世期の「元興寺」や「興福寺大乗院」に関係の深い人々、また近在の人達が、浄土往生を願って極楽坊周辺に、造立した供養仏塔だそうです。

制作年代は「鎌倉時代末期」から「江戸時代中期」のものが多いとのことです。

さすがに、これだけの数の「石塔・石仏」が立ち並ぶと、何故か芸術的なものさえ感じることができます。

 

太閤の愛した奇石「かえる石」

極楽堂」と「禅室」を中心として、境内は1周することができるのですが「浮図田(ふとでん)」から言うと「極楽堂」を挟んだ向かい側に歩いて行くと「かえる石」と呼ばれる奇石があります。

太閤の愛した『かえる石』です。

太閤の愛した『かえる石』です!

かえる石」は「元興寺」の境内北側にある、どっしりとした「ガマガエル」のような石となり、古くから有名な奇石で「蛙石」と呼ばれ、多くの方々に親しまれています。

現在、この「蛙石」は、以前にかかわった「有縁無縁」の一切の霊を供養して「極楽カエル」として成就しています。

もともとは大阪城に伝来し、太閤の愛した「蛙の形をした自然石」だったのですが、第二次世界大戦のどさくさに紛れたことで、しばらくのあいだ行方不明になっていたのですが、昭和33年に、縁あって「元興寺」に安置されたとのことです。

大阪城が落城した折には、この「蛙石」の下に「淀君の亡骸」を、埋めたと言う説もあります。

極楽堂」に向って誓願をたてた「極楽カエル」は、現在では「無事かえる!」や「福かえる!」などの縁起物の名石として、親しまれています。

以上で「元興寺」の境内の散策はすべて終了となりますが「元興寺」は、素朴で小さいお寺です。

一通り見て回るのは、30分~1時間もあれば十分です。

ただ、境内は広くはないのですが、見どころはたくさんあります。

世界文化遺産」に登録されるのにも、納得いく歴史があります。

観光地化されていないのは残念ですが、観光客が少ないぶん、ゆっくりと観賞できますので、是非一度訪れて、静かに流れる時間をご堪能ください。

 

元興寺の御朱印です!

元興寺」の参拝がすべて終了した証として「朱印所」にて「御朱印」をいただきました。

元興寺」には、たくさんの「御朱印」があります。

まずは、御本尊の「智光曼荼羅」をはじめとして、西国四十九薬師霊場の第5番となる「瑠璃光」また、大和北部八十八ヶ所霊場の第9番として「阿弥陀如来」があります。

さらに、大和地蔵十福霊場の「印相地蔵」があり「御詠歌・如意輪観音・聖徳太子・南無上宮太子・理趣大師」などを合わせると、合計9種類の「御朱印」があります。

今回は、御本尊となる「智光曼荼羅」と、西国四十九薬師霊場の第5番「瑠璃光」の「御朱印」さらに「創建1300年記念!」として、2018年1月1日より12月末までの期間限定となる「佛法元興」の「御朱印」を頂きました。

残りの「御朱印」に関しては、次回訪れた時に頂きたいと思います。

『元興寺』の御朱印です。

『元興寺』の御朱印です!

尚「御朱印」に関しては、基本的には、ひとつにつき300円を納めれば、誰でも頂くことができます。

御朱印」に関しては、寺社で参拝しなければ頂けないと言うものではなく「仏像鑑賞」や「パワースポット巡り」など、別な楽しみも兼ねた証として頂くと言う考え方もあります。

寺社を訪ねるだけでなく「御朱印集め」は「何を書くのか?」や「どんなハンコ(朱印)を押すのか?」さらに「字の良し悪し」などを、楽しみのひとつとして収集するのも良いものですよ。

管理人は、訪れた寺社仏閣では必ず「御朱印」を頂いているので、正確に数えたことはないですが、知らず知らずの間に「1000」に手が届きそうなくらいになっています。

御朱印集め」を、始めようとお考えの方には、是非お勧めしたいと思います。

尚、近年では「御朱印」を「スタンプラリー」のように、参拝もしないで頂きに行く方が増えていると言うことですが、最低限のマナーとしては、参拝が終了してから頂くことをお勧めしておきます。

 

元興寺のアクセス及び駐車場情報!

基本情報

*基本情報は、できる限り新しい情報を掲載することを心掛けていますが、すべての変化に対応できないのが現状となりますのでご了承ください。

元興寺

  • 住所:〒630-8392奈良県奈良市中院町11
  • 電話:0742-23-1377・FAX:0742-23-1378
  • 拝観時間:朝9時00分~夕方17時00分まで(ただし入門は夕方16時30分まで)
  • 拝観料:大人500円 中高生300円 小学生100円
  • 休日:年中無休
  • 駐車場:無料(普通車12台)東門、(大型バス2台)北門
  • アクセス:【公共交通機関】「近鉄奈良線」の「近鉄奈良駅」から徒歩で1km(約12分)
    JR大和路線・各線」の「奈良駅」から徒歩1.4km(約17分)
    お車】「西名阪自動車道」及び「名阪国道」の「天理IC」から「国道169号線」を北上して看板に従って「福智院北」の交差点を左折して道なりに走り進めて1つ目の信号を左折して少し走り進めた右手側7.2km(約15分)

最後までお付き合いいただき、本当にありがとうございます。

元興寺」は、素朴なお寺にはなりますが、歴史はとても古く「世界遺産」としても貴重で、価値のあるお寺になっています。
是非一度訪れて、ご自身の目で、古い歴史を感じていただき「世界遺産」としての、お寺をご堪能していただければと思います。

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